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アクセスランキング、航空関連の話題集まる、1位LCCホノルル線

 今週は、航空路線に関係する話題が多数ランクインしました。1位はエアアジアX(D7)による関空/ホノルル線の就航計画で、3位は全日空(NH)による羽田/シドニー線開設、4位がエイビーロードの航空会社満足度調査、5位はまたD7で新千歳/クアラルンプール線、6位がデルタ航空(DL)によるスカイマーク(BC)の再建表明、そして8位にイスラエルとの航空協議が入っています。

 こうして並べて書いてみるとなかなか壮観ですが、まずD7の関空/ホノルル線は日本からハワイへの初のLCC路線となります。各国とのオープンスカイによって首都圏空港が除外されてはいるものの以遠権が自由化され、またLCCが定着してきたこの数年間の流れを凝縮したようなニュースであり、感慨深くすらあります。

 ハワイといえば日本の旅行会社にとって海外旅行の原点ともいえるデスティネーションで、特にワイキキの現在の姿は旅行業界が時間をかけて育んできた結果といえるほど濃密な関係にあります。今でも大きな市場であり、旅行業界の生命線ともいえるハワイ路線でのLCCの動向は、業界の未来を占う上で非常に重要な意味を持つように感じられます。

 また、NHのシドニー線も、かねて噂されていたところですのでそこまでアクセスが増えないかと思っていましたが、約16年ぶりの復便、そしてワンワールドの牙城が脅かされる路線ということもあってか1日で順位をかなり上げました。

 オーストラリア市場の関係者からすれば待望の新路線ですが、記事の中でも触れている通りカンタス航空(QF)もシドニー線を羽田発着に変更し、成田からブリスベンに飛ぶことが決まっており、大幅な座席増をきちんと受け止め維持していく努力が必要になります。

 特に、ビジネスクラスの需要の一定程度がNHへ流れると予想される中で、もちろんエコノミークラスの利用者もいきなり増えるわけではなく、日本航空(JL)とQFのイールドが低下すれば将来的に減便、運休ということもあり得ます。インバウンドが好調とはいえ、記事ページの関連ニュース欄にも入れた通り訪豪日本人数をいかに増やせるかが鍵となりそうです。

 気になるのはNHがまたも羽田のみから路線を開設する点で、いわゆる「成田縛り」はどうなってしまったかという疑問が頭をもたげます。NHは最近、成田からヒューストンへ飛んだほか、ブリュッセルへの就航も決めており、そういった路線拡充とのバーターなのかもしれませんが、外航の戦略にも関わるだけに現状を明確にしてほしいところです。

 このほか、DLによるBCの再建支援も大変気になります。DLといえば、羽田にすべての東京路線を集約できなければ今後のあらゆる羽田/米国線発着枠の拡大に反対すると表明しているところで、BCとの提携の成否はこの交渉の今後にも影響を与えると思われます。

 BCの債権者集会が開催される8月5日に向けて、おそらく現在は様々なやり取りがなされているのでしょう。両陣営がどの程度まで債権者の支持を獲得できているか分かりませんがまるで経済小説を読んでいるような気分で、羽田の枠の行方を含めて今後も目が離せません。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2015年7月第3週:7月12日0時~7月17日17時)
第1位
エアアジアX、関空/ホノルル線を申請-ハワイも歓迎(15/07/13)

第2位
トップインタビュー:ジャルパック代表取締役社長の藤田克己氏(15/07/14)

第3位
全日空、羽田/シドニー線開設、深夜早朝枠で-12月11日から(15/07/16)

第4位
航空会社満足度、1位は4年連続でシンガポール-エイビーロード調査(15/07/14)

第5位
エアアジアX、新千歳/クアラルンプール線開設へ、10月目途に(15/07/12)

第6位
デルタ航空、スカイマーク再生支援へ-「第3極」は維持(15/07/15)

第7位
Airbnb、日本での活動強化-日本での規制緩和に向けた取り組みも(15/07/14)

第8位
イスラエルとの航空協議、週14便で合意-コードシェア自由化も(15/07/13)

第9位
ニュージーランド、自然を楽しむアクティビティを気軽に体験 (15/07/16)

第10位
業務代行サービスのインターグローブ、GSAにエフネス-日本で本格展開(15/07/12)