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アクセスランキング、1位は米・事前入国、カンタス燃油廃止も

[総評] 今週の1位は、米国が成田空港で事前入国審査を導入しようとしていることをお伝えした記事でした。「プレクリアランス」と呼ばれるもので、実現すれば現地空港への到着後に長い列に並ばずに済むことになり、いうまでもなく利便性が高まります。

 一つ残念なのは成田空港だけという点ですが、羽田や関空はコストをかけるにはまだ旅客数の規模が見合わないということかもしれません。あるいは、成田空港にとっては強みとなり地盤沈下を防ぐ効果があるはずですので、うがった見方をすると、何か配慮があったのかもしれないなどと勝手に想像してしまいます。

 今後どういった協議を経ていつから始まるのかといったスケジュールが不明ですが、記事でも触れている通りハワイなどデスティネーション側にとっては嬉しいニュースと思われます。特にハワイ州観光局(HTA)は、少なくとも2012年の時点でプレクリアランス実現に向けた働きかけをしていましたし(リンク)、隣島への乗り継ぎがしやすくなるなど様々なメリットを享受できるようになりそうです。

 また、今週は6位にも嬉しいニュースが入りました。カンタス航空(QF)がニュージーランド航空(NZ)に続いて燃油サーチャージの廃止に踏み切ったもので、7月1日以降の発券分が対象です。

 QFは、3月に基準を変更して燃油サーチャージを徴収し続けやすくしたばかりなので少し不可解ですが、記事に対するFacebookの「いいね!」の数を見るだけでも、運賃への一本化が旅行業界や消費者の高い評価に繋がることは明白です。聞くところによると、あと1、2社追随する動きがあるとのことで、この数がさらに増えてほしいと願っています。

 今週はこのほか、全日空(NH)の成田/ブリュッセル線開設も5位にランクインしています。これはこれで喜ばしいのですが、別の記事でお伝えしたとおり成田/パリ線は運休ということで(リンク)、欧州線の単純なキャパシティ拡大ではありません。

 パリ線については、いわゆる「成田縛り」の対象になるはずですけれども、そもそも2月1日にヴァージン・アトランティック航空(VS)が撤退した後もNHはロンドン線を復活していませんし、ルールは形骸化したということでしょうか。

 そうなると、相互主義の観点からすれば外航各社も同様に成田路線をやめて羽田に集約、という選択肢を取れることになるはずですが、今のところ目立った動きはありません。首都圏の空港のあり方を左右する、ひいては日本の国際観光の未来に大きな影響を与える決まりごとですので、各所に取材をし状況をお伝えしたいと考えています。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2015年5月最終週、6月第1週:5月30日0時~6月5日18時)
第1位
米国、成田で事前入国審査導入へ-ハワイは隣島送客に期待(15/06/01)

第2位
JTB、14年度は営利減も経利・純利伸長-団体など寄与(15/05/31)

第3位
HIS、2Qは各利益2桁増-営利は半期で100億円達成(15/05/31)

第4位
スカイマークが再建計画提出、ANAHD出資率は16.5%(15/05/31)

第5位
全日空、成田/ブリュッセル線開設、15年冬ダイヤから予定(15/06/01)

第6位
カンタスも燃油廃止、今夏から運賃に一本化(15/06/03)

第7位
インタビュー:UA太平洋地区営業担当支社長のエスプレィ氏(15/06/04)

第8位
エアーリンクが「DeNAトラベル」に、海外発強化で飛躍めざす(15/06/02)

第9位
世界一の人気都市はロンドン、東京11位-マスターカード調査(15/06/03)

第10位
エクスペディア、日本に顧客プログラム、アジア初-付加価値に焦点(15/06/02)