インターコンチ、パリからル・グラン総支配人、改装と街の安全アピール

  • 2015年5月2日

総支配人のクリストフ・ロール氏 インターコンチネンタルホテルズグループ(IHG)グループの「インターコンチネンタル パリ ル・グラン」からこのほど、総支配人のクリストフ・ロール氏が来日し、報道関係者に同ホテルの最新情報を提供した。ロール氏は同ホテル内にあり、国の指定文化財となっている「オペラボールルーム」をこのほど改装したことなどを報告。あわせて、1月に発生したパリでの出版社襲撃事件以降、パリの街は「軍や警察が国を挙げてセキュリティ強化に取り組み、今まで以上に安全な状態にある」ことを強調し、減少した日本人を呼び戻したい考えを示した。ロール氏によれば、日本人は全宿泊者の8%から10%を占めており、「日本は非常に重要な市場」だという。

セールス&リプリゼンタティブの伊関由里子氏 セールス&リプリゼンタティブの伊関由里子氏によれば、出版社襲撃事件以降も世界各地でテロ事件や飛行機墜落事故などが続いたことにより、同ホテルも1月から3月までの稼働率は低調に推移。「普段なら満室になるはずの時期でも空きが見られる」状況だという。井関氏は「5月に入れば、パリでは展示会やフェアの開催が多くなるので、しっかりリカバーしてハイシーズンに突入したい」と回復への意欲を示し、ロール氏も「欧州は信頼感のある市場。時が経てば絶対に日本人旅行者は戻ってくる」との見方を示した。同ホテルでは稼働率の最高記録を残した2013年と同様に、報奨旅行などMICEでの活用を促して、復調をめざす考え。

 ロール氏によれば、パリ中心部のオペラ座地区に位置し、150年以上の歴史を誇る同ホテルは昨年秋に、総面積405平方メートルにおよぶオペラボールルームの改装を終了。改装作業には約600万ユーロを投じ、5ヶ月間を要したという。内装については、発見された開業当時のデザイン画をもとに、天窓のステンドグラスとカーペットのデザインを決定。一方で、ランプやシャンデリアにはLEDを採用した。収容人数は正餐のガラディナーで450人、カクテルスタイルで600人。リニューアル後はファッションショーや展示会などの会場としても好評を博しているという。

「カフェ・ド・ラ・ペ」の看板スイーツであるミルフィーユと、ステファン・ローラン氏のデザインによる「ペブル・ケイク」 ロール氏はあわせて、同様に指定文化財となっているホテル内のカフェ・レストラン「カフェ・ド・ラ・ペ」についても紹介。同店のエグゼクティブシェフのクリストフ・ラウックス氏が、今年の2月にフランス国家最優秀職人賞を受賞したことをアピールしたほか、毎年著名なファッションデザイナーが、オリジナルデザートを考案するイベント 「ファッションペストリー」などの試みについても説明した。

 日本人宿泊者向けのサービスについては、日本人のフロントスタッフを配置していること、「カフェ・ド・ラ・ペ」での朝食に和食メニューを用意していることなどを説明。なお、日本語放送についてはこれまでNHKのみ視聴可能だったが、昨年からは日本語衛星放送局のJSTVも導入したという。

 そのほか、兼務するパリ地区リージョナルディレクターとして、昨年秋に同ホテルの近くで開業した全57室のブティックホテル「ホテル インディゴ パリ オペラ」についても紹介した。「インディゴ」ブランドのホテルがフランスで開業したのは初めてだという。