アクセスランキング、グアム×w-inds.が1位、赤プリ跡の計画も

[総評] 今週の1位は、グアム政府観光局(GVB)の記事となりました。メディア向け懇親会でのお話しをまとめたもので、スポーツや文化を軸とした種々のイベントで日本からの誘客を進めるという内容ですが、どうやらイベントの一つである音楽祭にダンス&ボーカルユニットの「w-inds.」が参加するという点が、非常に多くの方々に読んでいただいた理由のようです。

 ミュージシャンやアイドルの人気というか、そこで費やされる熱意は凄まじいものです。例えば昨年はハワイで「嵐」のコンサートが開催され日本から1万5000人が参加しただけでなく、それとは別にハワイ現地やアジア、米国本土などから1万8000人が集まったと聞いています。

 旅行はコモディティ化しやすく価格競争に陥りがちで、多くの旅行会社がサービスや企画を磨き上げることに注力していますが、上記の例はそういったものを超越する価値といえるでしょう。

 価値に対する欲求とその充足、つまり満足はマーケティングの基本といわれているところで、観光旅行の価値は、純粋には「国の光を観る」ところの「光」について消費者がどう感じるかで測られるものだと思います。価値を持つ物事が何かというと、それは受け止める消費者によって変化しますが、もともとはその土地に備わっている、あるいは育まれたものであったはずです。

 しかし、ハワイにとっての「嵐」、グアムにとっての「w-inds.」は本質的に関係のないものです。言ってみれば、土地に縛られない巨大な価値があり、それが移動需要を生み出していることになります。

 大辞林によると「旅」の定義は「住んでいる所を離れてよその土地へ出かけること」ですから、これも立派な旅行です。当然、現地に行けば観光もすればショッピングもするでしょう。本来の意味とは異なるようですが、こうした取り組みは旅行分野にとってイベントマーケティングといっても良いように思います。

 話はそれますが、考えてみると旅行と音楽は似通った特徴を持っているかもしれません。音楽は音源さえあれば家でも外出先でも聴くことができるものの、体全体で音楽を聴き雰囲気に飲み込まれていくようなコンサートの高揚、陶酔は他では得られないものです。

 旅行も同様で、視覚や聴覚だけでなく味覚、嗅覚、あるいは触覚も現地に行かずともそれなりにクオリティの高い体験を得ることができる世の中ですが、それらが渾然一体となった現地のリアリティは全く別物です。その意味では、これこそが「光」なのかもしれません。

 さて、今週はこのほか、2位にプリンスホテルが「赤プリ」跡地に開業する最上級クラスのホテル「ザ・プリンスギャラリー」の記事が入りました。私もホテルの現場で6年超勤務していましたので、当時の先輩方や同僚達がどう思われるかわかりませんが、そこでサービスの考え方などについて大いに薫陶を受けたことが現在の自分の形成に繋がっていると感じています。

 客室数は250室で、規模と細やかなサービスを両立しやすい数ではないでしょうか。客室面積が36平方メートルからということで、6万円程度からという想定の宿泊料金を考えると競合よりもやや狭く感じますが、タブレット端末の導入など新しいコンセプトもユニークで、完成の暁には是非ショールームをお願いしたいと考えています。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2015年4月第2週:4月3日0時~4月10日18時)
第1位
グアム、イベントで日本人誘致強化、スポーツとカルチャー軸に(15/04/05)

第2位
「ザ・プリンスギャラリー」の概要発表-赤プリ跡に「最上級」ホテル(15/04/08)

第3位
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第4位
現地レポート:ラスベガス、カジノ以外の観光素材で女子旅訴求(15/04/09)

第5位
てるみくらぶ、販売加盟店を15年中1000店舗へ-地方の加盟強化(15/04/07)

第6位
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第7位
郵船クルーズ、新造船は飛鳥IIを踏襲、導入は「早期に」(15/04/06)

第8位
HISのGW動向、3年連続ハワイが1位-海外好調、国内は沖縄人気(15/04/05)

第9位
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第10位
クラツー、バリアフリー旅行を拡充、専用大型バス導入も(15/04/05)