エースJTB、15年は旅先でのプラン拡充、東北・北海道強化も

  • 2015年1月25日

 JTB国内旅行企画は1月23日、エースJTBの2015年度上期商品を発表した。基幹商品の赤パンフレットでは、宿泊施設ごとの楽しみ方を新たに提案。また、旅先の過ごし方に焦点を当て、地域コンテンツを活用した商品やサービスを拡充する。FITが増加する中、旅行会社だからこそ実現できる、個人が現地で楽しめるプランを提案し、商品やサービスを引き続きアピールしていく方針だ。

 同社では2014年度から、赤パンフレットの新たな商品規準として「赤パンフレットのお約束」を設定しており、今年も継続。年間50万件以上の顧客アンケート評価に基づいた好評価の宿泊施設を選定し、景色や眺望の良い部屋を用意するなど5つの「お約束」を提供する。

 また、今年は新たに宿泊施設ごとの楽しみ方を「エースJTBのお約束」として提案する。プールなどの設備の特別利用や部屋の眺望指定、食事の内容、早期割引など、宿泊施設ならでは、またはエースJTB限定のサービスを用意し、旅行商品として提供するサービスの明確化と宿泊の一層の充実をはかる。

 地域コンテンツを活用した商品やサービスでは「旅をもっと楽しく変える」をテーマにした「旅の過ごし方」プランを前年比15%増の全298コース設定。「そのとき、そこでしか出会えない感動を」をテーマに地域独自のプランの掘り起こしをはかった「感動の瞬間(とき)100選」は、2倍増の160コースを設け、全赤パンフレットの巻頭に掲載する。

 例えば、旅の過ごし方では、九州で「やまなみわくわく(湧く湧く)レンタカー」プランを用意。レンタカーで九州の温泉や湧水の名所などを周遊するプランで、タオルや空のペットボトルなどをレンタカーに用意した。感動の瞬間100選では、北海道の6ヶ所で、ゴンドラ・ロープウェイで早朝の雲海などを楽しむ「エースJTBアーリーライド」プランを新設。富良野、ニセコ、留寿都、旭岳温泉、層雲峡ではゴンドラ・ロープウェイの通常運行前に乗車する。


▽東北と北海道方面を強化

 15年度の強化方面としては東北と沖縄を設定。東北は、JTBグループの全社キャンペーン「日本の旬」キャンペーンを展開し、東北の新しい過ごし方の提案として、春から初夏の「新緑」に焦点を当てたプランを用意した。新緑スポットを巡る周遊バスの運行や、早割「新緑割引」などを設けたほか、「感動の瞬間100選」でも「新緑のブナ林“白神の森遊山道”」などを取り上げた。

 北海道ではアーリーライドに加え、世界遺産登録10周年の知床エリアで「知床早朝ウォークとヒグマクルーズセットプラン」など、北海道ならではの大自然が楽しめるプランを用意した。このほか昨年度に引き続きUSJエリアと沖縄を強化。沖縄は、エースJTBラウンジを4施設増やす。

 さらに、増加する訪日需要への対応をはかり、赤パンフレットの添乗員同行コースで、訪日外国人旅行者と混載に対応したツアーも実施する予定だ。まずは1、2コース、バスツアーで実施する予定で、状況を見ながら全国的に展開していく考え。詳細は2月または3月に発表する見込みだ。

 なお、2015年度の目標は、14年度の実績の目処がついてから設定する予定。JT広報室によると、1月時点では、14年度当初目標の売上高3100億円を達成する見込みだという。15年度については、消費増税の影響も一段落し、北陸新幹線の開業や9月のシルバーウィーク、ガソリン価格の低下による車を利用したレジャー需要の回復などから、旅行意欲は堅調に推移すると見ている。