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年頭所感(1)15年は訪日に期待、ツーウェイツーリズム拡大も

  • 2015年1月8日

▽ジェイティービー(JTB)代表取締役社長 高橋広行氏(※高ははしごだか)

 2015年は、円安基調が産業全体にどう影響するかなどの不安定要素もある。しかし観光業界の「コト消費」においては、消費増税も落ち着き、昨年からの経済環境が継続され、夏期臨時手当など支給額増が見込めれば堅調に伸びていくと考えられる。LCCの国内外路線拡大、65歳以上の完全退職者のさらなる増加などで、旅行に対する前向きな消費意欲は継続するだろう。

 今年は3月に北陸新幹線開業を控えており、国内、訪日旅行者に対し新たな「旅のルート」ができる。北陸地域に行きやすくなり選択肢の幅が広がり、ひいては交流人口の拡大に大きく期待ができる。

 また、ゴールデンウィークは5連休、9月にも5連休が期待できる。高野山開創1200年、7年に1度の善光寺御開帳、ラグビーワールドカップ2015イングランド大会など需要喚起の案件は多々ある。訪日外客数1500万人も想定され、楽観はもちろんできないもの、年間の旅行見通しは2014年を上回ると考えている。

 JTBでは国内事業の進化とグローバル事業の成長をさらに推進する。これら事業のキーワードはいずれもDMCだが、国内旅行と訪日旅行の共同の仕入れ・商品企画・商品造成をおこなうなど、地域活性化とともに未来を見据えた市場拡大をはかっていく。グローバル事業でも、これまで以上に投資を促進し、「世界発・世界着」に向けた事業拡大をはかっていく。


▽KNT-CTホールディングス代表取締役社長 戸川和良氏

 前例にとらわれない自由な発想、個性的な提案や商品造成でコモディティ化からの脱却を確固たるものとし、お客様に選ばれる企業をめざさなければならない。また、WEBの一層の拡充をはかり、WEBシフトへの道程を確かなものとするため、グループを挙げて取り組んでいかなければならない。

 今後の柱となる注力すべき事業は「スポーツ関連事業」「訪日旅行事業」「地域誘客・交流ビジネス事業」だ。我々はこれまでもスポーツ関連事業に強みを発揮してきた。2020年の東京五輪という好機を逸することなく、需要の取り組みに精力的に邁進していってほしい。

 訪日旅行事業の課題は、増加する訪日FITの需要をいかに取り込むか。海外現地法人と連携を密にして、海外のニーズを的確に捉えたWEB展開をはかり、魅力的な商品を提供することで、大きな発展を期待している。地域誘客・交流ビジネス事業は、我々の強みが最も活かされる分野だ。シナジー効果をフルに発揮して地方を元気にするお手伝いを進めていきたい。

 KNT-CTホールディングスの誕生で最も期待されたのがシナジー効果の創出。昨年は売上で概ね30億円、売上総利益で6億円を超える数字を想定している。今年もさらなるシナジー効果の拡充をはかり、他社には模倣できない収益源を作り上げていくよう改めてお願いする。

 企業にとって最重要視されるのは結果としての利益。利益にこだわり、利益が残ることを意識し、売上総利益率の向上を常に頭において営業活動を進めていってほしい。今年はKNT-CTホールディングス発足3年目を迎えるが、当初我々が思い描いていた統合の成果には至っていない。今年は本当に正念場であり、中期経営計画の最終年度。1年の成果を求めつつ、次に繋がる土台を築き、明るい展望をもった中期経営計画に移行できるように、より一層の奮闘努力をお願いしたい。


▽エイチ・アイ・エス(HIS)代表取締役社長 平林朗氏

 2020年の東京五輪開催に向け、今後さらにインフラなどの整備が進み、日本本来の魅力も相まって、ますます本格化するアジア大航海時代を背景に訪日外客は増加の一途をたどると考えられる。

 今年は当社グループのアジア・アトランティック・エアラインズ(HB/AAA)により、タイやシンガポール、カンボジア、バリ島と日本の15都市を結ぶツーウェイチャーターを1月から3ヶ月間、42本実施する。また、日本では商品やプロモーションに磨きをかけ、旅へのワクワク感や感動をさらに伝え需要拡大をめざす。海外拠点では、日本の魅力をさらに現地の方へ知らしめ、日本各地の皆様とともに地域活性化に寄与していきたい。

 ハウステンボスとラグーナテンボスでは、オンリーワン、ナンバーワンイベントのさらなる進化をめざし、国内外のお客様の期待を超える感動や驚きを引き続き提供していく。今夏にはハウステンボスにて「スマートホテル」を開業。また、5月にはインドネシアのバリ島に「ウォーターマーク ホテル&スパ バリ(仮称)」を開業する予定だ。

 HISは創業35年目を迎えた。我々を取り巻く環境はめざましいスピードで変化してきたが、お客様にさらなる支持をいただけるよう時代を先取りし、新たな価値を提供していく“未来創造型企業”をめざし、旅を通じて世界の未来に貢献していく。