旅行業・観光業DX・IT化支援サービス

訪日1300万人達成で式典、太田国交相「2000万人への基盤できた」

  • 2014年12月23日

22日の式典の様子。くまモンも登場し場を盛り上げた  観光庁は12月22日、訪日1300万人達成記念セレモニーを成田国際空港で開催した。登壇した国土交通大臣の太田昭宏氏は、昨年の12月20日に1000万人を達成したことを振り返り「今年はそれを超える数と思っていたが、はるかに予想を超えて1300万人という大台に達した」と喜びを示した。

 その上で、2020年の訪日外客数2000万人の目標について「高みをめざすということを言っていたが、今日からは高みという言葉を使わず、実感として2000万人をめざす」と意気込みを語った。2014年は「単に希望や夢ではない2000万人(という目標)に向けての基盤ができた」との考えだ。

国土交通大臣の太田昭宏氏  同氏は訪日外客数1300万人達成の要因として、富岡製糸場の世界文化遺産登録や和紙の無形文化遺産登録、2020年の東京オリンピック、パラリンピック開催決定や円安、訪日ビザの規制の大幅緩和、免税制度の改正などを挙げた。訪日外客による旅行消費額も増加しており、2012年は1兆1000億円、2013年は1兆4000億円、今年は2兆円に迫る勢いだという。

 また、訪日外客が使用した金額から日本人が海外で使用した金額を引いた旅行収支では徐々に赤字が減少してきていると説明。今年4月には「大阪万博以来44年ぶりに4月単月で(177億円の)黒字を計上するという大きな成果を得ることができた」と喜びを示した。

  2015年は、2013年から500万人増という訪日外客の急速な増加を踏まえ、空港容量や食事、もてなしの方法などさまざまな課題が明らかになってきたとし、「陣形を整えて」次のステップを踏んでいきたいと述べた。具体的には地方へのさらなる誘客のための情報発信の強化や受入環境の整備、空港容量の増加、WiFi設備の整備、多言語対応、北海道などで発生しているバス不足、クルーズ船の受入対応、ビザ緩和のさらなる拡大などを指摘。こうした課題の解決のため「多くのことに言及させていただいたうえで、次の大きなステップを踏んでいきたい」と語った。

(左から)光庁長官の久保成人氏、9億人目のインドラジャティ氏 15年の訪日外客数については、ジェイティービー(JTB)がさきごろ発表した見通しで1500万人と予想。これに対し、太田氏は「現時点で1500万という数字は私もおそらく観光庁も持っていない」とし、2015年は「1300万人を上回る」と語るにとどめた。

 なお、1300万人目は、全日空(NH)836便でインドネシアのジャカルタから、観光で日本にやってきたインドネシア人の家族3人連れ。式典では太田氏から記念の盾が贈呈されるとともに、観光庁長官の久保成人氏が記念品を、全日空(NH)代表取締役社長の篠辺修氏から日本/インドネシア間の往復航空券が贈呈された。