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ミラノ万博、開幕まで半年、日本人の来場者目標20万人に

  • 2014年10月1日

ミラノ万博公社ジェネラル・マネージャーのピエロ・ガッリ氏 イタリア・ミラノで開催される「ミラノ国際博覧会」(ミラノ万博)の開幕まで残すところ半年となり、日本でのPR活動も本格化してきた。9月25日から開催されたツーリズムEXPOジャパンでは、マスコットの「FOODY」をあしらったポスターを会場内のいたる所に掲示。9月26日には日本旅行業協会(JATA)と相互協力協定に関する覚書に調印しており、着々とプロモーション活動を進めている。来日したミラノ万博公社ジェネラル・マネージャーのピエロ・ガッリ氏は、日本人向けの入場チケット販売を20万枚に目標設定したことを明らかにした。

 ミラノ万博公社では、開催期間中の延べ来場者を2000万人と想定、このうちイタリア国外からの外国人来場者を600万人から800万人と見込んでいる。外国人の中でも、ヨーロッパ域外からは270万人から360万人を誘致する方針で、このうち20万人(枚)を目標とした日本市場は「海外の中でも最重要市場」(ガッリ氏)との位置付け。

JATAとの相互協力協定の調印式。今後共同でプロモーション活動を展開していく計画だ  現在、イタリアへの年間日本人訪問者数は37万人から38万人。「目標はとてつもない数だが、日本でのイタリア人気やこれまでの旅行会社の反応を見ると、必ず実現できる数字だと思っている」(同)と強気の姿勢だ。

ツーリズムEXPOジャパン会場で掲載されたポスター  その根拠にするのがイベント内容の充実度。ミラノ万博は「地球に食料を、生命にエネルギーを」をテーマに掲げ、世界の“食”を目玉にするが、ガッリ氏は「食に関する意識を高めるだけでなく、会場で食べて飲んで、その場に居合わせた世界中の人々と交流できること」が大きな魅力だと強調。「イタリアの素晴らしさを再発見する機会にもなる」と述べた。

 万博開催期間中は、会場となるミラノ市もさまざまな仕掛けを用意している。美術関連では、レオナルド・ダ・ヴィンチの特別展を開催し、傑作「最後の晩餐」を含む諸作品を公開するほか、ミケランジェロの作品の特別公開、クリムトやシャガールなどの作品を集めた特別展覧会を開催する計画。また、音楽関連ではスカラ座のノンストップ公演を予定、万博開催中は毎日オペラやコンサートなどの公演を計画している。

ミラノ市政府観光・商務・マーケティング部長のアレッサンドロ・ポリオ・サリンベーニ氏 また、ミラノ市政府観光・商務・マーケティング部長のアレッサンドロ・ポリオ・サリンベーニ氏も、「ショッピングやグルメ、芸術鑑賞など、ミラノのライフスタイルそのものを楽しんでもらいたい」と話し、ミラノ観光が万博開催を契機に一層充実しつつあることをアピールした。

 ミラノ万博は2015年5月1日から10月31日までの184日間で開催。現時点で日本を含む世界147の国や地域、国際機関が参加を表明し、60のパビリオンが公開されるほか、コーヒー、米、スパイスなど9つのテーマで各国展示館が集まる「クラスター」、野外公演場、コンファレンス施設などが設けられる。