旅する若者を創る-じゃらんRC(1) 実体験促す「マジ部」

 リクルートライフスタイルのじゃらんリサーチセンター(JRC、沢登次彦センター長)が主催する観光振興セミナーが各地で行われた。全国の宿泊旅行動向や国内観光に関する課題解決の実証事業の成果などを発表した。8月上旬に大阪市内で行われたセミナーには、行政関係者や観光事業者など多方面から200人以上が出席した。

 このうち、青木理恵研究員が発表したのは、国内旅行需要創出のカギとなる「若者層」の旅行意欲を喚起する取り組み。若者層マーケットの現状は、約1億5600万人の国内宿泊観光旅行市場において20-34歳は3316万人、シェアにして2割少しに過ぎない。50歳以上は8394万人、53.8%に達し、このままでいくと国内宿泊旅行はジリ貧だ。

 若者層の旅行人口の減少率は人口の減少以上のスピードで進んでおり、特に20-34歳の男性では人口減少率12.9%に対して22.2%も減っている。反面、女性に限ればその差は1.5ポイントと小幅だった。「20-34歳の男性を旅する人にしなければなりません」と青木さん。

 JRCが18-22歳を対象に行ったインターネット調査で、今どきの若者像を浮かび上がらせた。スマホの所有率は83.0%で9割がSNSを使用している。趣味やレジャーに使える金は月1万円未満が半数で、そのレジャーもショッピングやカラオケなど「街遊び」が主。一方で、新しいことに挑戦する力や好奇心は強く、SNSなどにより同世代間のネットワーク=口コミ力も強い。金はないが時間はあるのが特徴だ。

 そんな彼らを旅へと誘う仕掛けが「マジ☆部」。口コミ力が強い彼らに、スマホ上のバーチャルな世界ではなく実体験をさせることで、仲間を連れ立って本人も生涯に渡って顧客になるような需要創出につながると仮説を立てた。

 

情報提供:トラベルニュース社