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UNWTO世界観光倫理憲章、4団体8社が署名

  • 2014年9月25日

 国連世界観光機関(UNWTO)と観光庁は9月25日、観光庁内でUNWTO世界観光倫理憲章の署名式を開催した。UNWTO世界観光倫理憲章は、1999年のUNWTO総会で決議後、2年後に国連総会で承認された憲章。世界の環境、文化遺産、社会に与える潜在的な悪影響を最小限にしながら、観光産業の発展を最大限に引き出すことを目的としている。2014年8月現在40ヶ国299社・団体が署名しており、日本は41ヶ国目の署名国。今回は4団体8社が憲章に署名した。

 署名式に参加した観光庁長官の久保成人氏は、観光立国実現は持続可能なものでなければならないが、自然環境や文化遺産の保護との両立、労働環境など、観光分野にはさまざまな課題があると指摘。「倫理憲章はこうした観光をめぐる普遍的な課題を解決に導く、責任ある持続可能な観光のための重要な規範となるもの」と重要性を訴えた。また、憲章の署名により「日本の観光産業の持続的な発展に向けた強い決意を世界に対し発信することができる」と意義を語った。

 UNWTO事務局長のタレブ・リファイ氏は「日本は観光の倫理が高く、我々にとって重要で尊敬の対象」とし、今回の署名を「とても感動的なこと」と歓迎する姿勢を示した。同氏は毎年10億人以上と多くの人々が世界を旅しており、観光は人々の生活や規範、環境の変化につながることから、倫理的な行動規範が必要と説明。憲章は法的拘束力はないが、人々に対する責任をうたった意義のある重要なものであることを改めて強調した。

 今回署名したのは、日本旅行業協会(JATA)、全日本シティホテル連盟、日本ホテル協会、日本観光振興協会(日観振)、ジェイティービー(JTB)、エイチ・アイ・エス(HIS)、KNT-CTホールディングス、日本旅行、沖縄ツーリスト、ワールド航空サービス、日本航空(JL)、全日空(NH)の4団体8社。署名により、各団体、企業は憲章の順守と普及促進に努めるとともに、3年に1度憲章の普及、実施のための活動を世界観光倫理委員会に報告する必要がある。