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アクセスランキング、1位は航空会社満足度、HISも2本

[総評] 今週は、エイビーロード・リサーチ・センターによる「エアライン満足度調査2014」の記事が1位になりました。毎年大人気の調査ですが、ちょうど先週もルフトハンザ・ドイツ航空(LH)のビジネスクラス新シートが1位になっており、こうした話題への関心の高さを感じます。

 今回の調査ではシンガポール航空(SQ)が3年連続1位となり貫禄を見せつけました。しかし、2位以下では2年連続2位だったエミレーツ航空(EK)が5位に下がった一方、全日空(NH)と日本航空(JL)が2位と3位に、そして4位にはターキッシュエアラインズ(TK)が11位からジャンプアップするなど、昨年までと比較して大きな動きが出ました。

 調査は機内エンターテイメント、空港内の接客サービス、客室乗務員サービス、機内飲食サービス、機材・設備の項目について満足度を聞いたもので、日系航空会社の上昇についてエイビーロードでは、プロダクトや機内食の改善が順位を押し上げたと分析しています。

 また、今後は日系、外航を問わず総合力での競争が激しくなるとの予想で、日系航空会社はもともと日本語でのサービスなどいわゆる日本人的サービスは強いわけですから、上位に名を連ね続ける可能性は高いでしょう。これに対して、SQを筆頭とした外航各社がどのように満足を提供していくかが見ものです。

 さて、今週はこのほかエイチ・アイ・エス(HIS)の記事が2位と4位にランクインしています。すなわちラグーナ蒲郡の事業承継とアジア・アトランティック・エアラインズ(AAA/HB)によるカンボジアへの就航計画で、まずはたった3日で2回もこうした発表が出てくるHISの積極性に驚くばかりです。

 ラグーナ蒲郡についてはHISグループ代表の澤田秀雄氏自らが「非常に難しい案件」と表現されていますが、「欠点を裏返せば長所」というご発言が印象的です。ピンチはチャンスともいいますが、リスクを恐れて安定を求めるだけでは成長は望めないということでしょう。一代でHISを築き上げられた澤田氏の胆力が目に見えるようです。

 また、AAAも成田からプノンペンとシェムリアップに定期チャーターを設定し、定期便化もめざそうとするものです。いくら成長著しい東南アジアの国とはいえ、いきなり217席でデイリーというのは小心者には難しい判断であるように感じます。

 特筆すべきはビジネス需要に焦点を当てたことで、ビジネスクラスシートの刷新やプレミアムエコノミーの導入により業務渡航需要で総旅客の50%をカバーしたい考えです。業務渡航はインハウスを含めて旅行会社の強い分野ですので、残り50%のレジャーも同様ながらいかに他社に卸せるかが課題となりそうです。

 業界の慣習にとらわれない経営手法とこうした業界内での取引のバランスは難しいことなのかもしれませんが、前者を失うことはHISのアイデンティティの喪失であるといって過言ではないでしょう。論理的に一番近道なのは、他社が「どうしても売りたい」と思う状況や環境に持っていくことかと思いますが、AAA社長のボビー・A・ハック氏がどのような営業戦略を採られるか要注目です。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2014年6月第4週:6月22日0時~6月27日16時)
第1位
航空会社満足度、シンガポール航空3年連続1位、日系人気の上昇も(14/06/23)

第2位
HIS、ラグーナ蒲郡の承継決定、「ラグーナテンボス」が運営へ(14/06/24)

第3位
JATA、正会員4社を正式除名-会費未納で(14/06/23)

第4位
HISのAAA、成田/カンボジア2路線開設へ、新座席で出張需要5割(14/06/26)
HIS、プノンペンに拠点開設、イン/アウトの需要取り込みへ(14/06/26)

第5位
主要50社、4月の海外旅行は5.1%減、大手が苦戦の傾向(14/06/22)

第6位
カナダ、羽田就航や連ドラで日本市場に期待の声-RVC2014(1)(14/06/24)
カナダ、羽田就航や連ドラで日本市場に期待の声-RVC2014(2)(14/06/24)

第7位
フンヌ・エアー、羽田/ウランバートル間でチャーター、夏に週2便で(14/06/23)

第8位
MIATモンゴル、夏期羽田チャーター便の発着時間確定(14/06/25)

第9位
日本初のUNWTO職員にJTBの熊田氏-7月から2年で(14/06/25)

第10位
13年度海外事故発生率は3.84%、支払7061万円の事例も-ジェイアイ調査(14/06/23)