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アクセスランキング、1位はJTB中部に厳重注意、訪日人気レストランも

[総評] 今週は、観光庁がJTB中部に対して厳重注意をしたことについての記事が1位になりました。同社の社員がバスの手配を忘れ、それを隠すためにお客様である学校に対して生徒を騙った手紙を送って旅行を中止させようとした事件ですが、引き続き多くの方が注目されているようです。

 記事でも触れている通り、観光庁の調べによって上記の事実以外にも旅行業法違反が判明したとのことで、改めて残念でなりません。ジェイティービー(JTB)代表取締役社長の田川博己氏がコメントされているように、ルールの再徹底や社員教育、管理体制の強化などを続けていくことで信頼を回復していくしかないでしょう。

 この話題が前回ランクインした際にも書きましたが、JTB以外の会社にとっても対岸の火事と捉えるのではなく、自社の業務管理などに問題がないか、そして会社をより良くするためには何が必要かを考える機会とするべきでしょう。

 旅行会社は人が最大の財産ですが、その人がミスも引き起こし、あるいは過ちを犯すこともあるわけです。社会人として迎えるまでの教育について旅行会社ができることはほとんどないものの、入社してからの体験だけでも人が大きく変わる可能性は十分にあります。

 良い上司、良い同僚に恵まれた、働いていて楽しいといった気持ちを持てるのと持てないのとでは雲泥の差があります。そうした気持ちをどのようにして与えるか、現場から経営トップまでがそれぞれの立場で常に考えていかなければなりません。

 個人的には、トラベルビジョンでも今年4月に新入社員を迎えており、トレーニングに際して、自分の言葉や行動が相手のこれからの長い人生を左右することに非常に重い責任を感じています。一方で、諸先輩から受けた教育に感謝しつつ、自らの考えも加味して後輩に伝えていくことには喜びもあります。

 当の社員がこちらの指導をどう受け止めているか知る由もありませんが、仮に何かしらを得てくれているのであれば、今後さらに先の後輩たちに「恩送り」をしていってほしいと願っています。

 このほか、今週の上位10位の中で気になったのは、8位に入ったトリップアドバイザーによる調査の記事です。これは、同社のサイト上で2013年4月から2014年3月までに投稿された外国語の口コミ評価をもとに決定した日本の飲食店の人気ランキングで、なかなか興味深い内容です。

 店舗の地理的分布で東京が30位中17位を占めているのは順当なのでしょうけれども、2位に岐阜県高山市の店舗が入った点や北海道もニセコ人気で4店舗がランクインしている点も目を引きます。まだまだ口コミの数が少ないという要因もあるかもしれませんが、こうした口コミから帰納的に訪日外国人の日本国内での行動やそれに対する満足度を推測していくのも面白そうです。

 また、いくつかの店舗について実際の口コミを見てみたのですが、驚いたのは1位の「松坂牛焼肉M 法善寺横丁店」さんで、投稿された口コミに対してマネージャーの方がコメントを返されていることでした。

 宿泊施設で、特に日本語ではこうした取り組みがよく見られますが、外国語でコミュニケーションを取ることができる施設はそう多くないでしょう。ハードルの高さは飲食店でも同様ではないかと思いますが、逆にいえば、このような取り組みがますます増えていくことこそが真実の観光立国なのではないかと考えさせられました。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2014年6月第2週:6月8日0時~6月13日18時)
第1位
観光庁、JTB中部に厳重注意書-6月中に報告書の提出求め(14/06/10)

第2位
春秋航空日本、8月に就航延期、高松線減便も-最大1万席に影響(14/06/08)

第3位
HIS、2Qの営利は38.4%増-米国、欧州など好調(14/06/08)

第4位
JAL植木社長、国際線は「身の丈にあった成長」、ANA急拡大も(14/06/09)

第5位
JTB、ジャルパックの独法人を譲受-独発需要の取り込み強化(14/06/09)

第6位
エティハド、来年以降に羽田線検討、当面は既存線に注力(14/06/11)

第7位
国際線LCC、利用率向上も満足度は低下-リクルート調査(14/06/10)

第8位
外国人に人気のレストラン、1位は松阪牛焼肉M-トリップアドバイザー(14/06/11)

第9位
アエロメヒコ、成田/メキシコシティ線、増便後の好調アピール(14/06/12)

第10位
デルタ、成田/ポートランド直行便10周年、搭乗率85%と堅調(14/06/08)