JTB、14年度は増収増益へ-法人好調、DMC本格展開も

  • 2014年6月1日

▽14年度はDMC戦略を推進、グローバル強化も

 JTBでは14年度を、アジア市場での「圧倒的NO.1ポジション」の確立と、「2020年ビジョン」で掲げた取扱高2兆円の達成に向けて、中期経営計画に基づいて着実にステップアップしていく1年と位置づけている。なかでも、国内事業の進化とグローバル事業の成長促進をはかる方針だ。

 国内事業では、地域交流ビジネスで引き続きDMC戦略を推進。田川氏は、DMC戦略について「(国内でもグローバルでも)事業として成り立つ確信が持てた」と明言。「やっと土台ができて目が出たので、今後は水をやり、大木にしていかないと」と語った。

 同氏は「手数料商売は3年、5年はいいが、10年、20年先は難しい」ビジネスだとし、「コンテンツを売るだけでは旅行代理店。(旅行会社として)自らコンテンツを作り出す必要がある」とDMC事業の意義を強調した。

 ただし「DMCそのものでは儲かるとは思わない」といい、DMCでJTB独自の地域コンテンツを開発し、コンテンツを活用したツアーを造成、販売することで収益を確保すると説明。「DMCそのものが儲かるのではなく、DMCを使った商品で我々も地域も潤う」とし、13年度までで「そのための下準備はできた」と語った。今後はコンテンツに対する投資を積極的におこなっていく考えだ。

 具体的には、今年4月に立ち上げた「JTB国内旅行企画」で国内、訪日旅行の仕入れと商品企画、造成を集約し、指示系統を統一。「日本全体で販売するという話がしやすくなった」という。

 また、グローバル事業については、アジアを中心とした「世界発、世界着」を推進し、グローバルレベルで交流文化事業を展開していく。そのため、グローバルの人材育成、強化をはかり、国内外のグループ会社間で300名規模の人材交流もおこなう。さらに、M&Aや業務提携で事業の拡大をはかっていくとした。