富岡製糸場が世界遺産へ イコモスが登録勧告

 群馬県富岡市の「富岡製糸場と絹産業遺産群」が国内14カ所目となる世界文化遺産に登録されることが確実になった。ユネスコの諮問機関であるイコモスがこのほど、世界遺産に登録するよう勧告した。6月に開かれるユネスコ世界遺産委員会で正式に決まる見通し。

 日本にとっては、昨年、富士山が世界文化遺産登録されたのに続き2年連続。自然遺産4カ所と合わせ国内の世界遺産は18カ所になる。

 富岡市の岩井賢太郎市長は「イコモスの勧告が完璧な形で報告されてとてもうれしい。これからも市民の皆さんをはじめ、国・県と協力して6月の正式登録に向けて準備を進めてまいります」とコメントしている。

 富岡製糸場は明治5年(1872年)、明治政府が日本の近代化のために最初に設置した官営模範器械製糸場。長さ140メートル、幅12メートルの繰糸(そうし)場をはじめ、大規模な建造物が並ぶ工場で、当時は世界最大規模を誇っていた。

 富岡製糸場はその後、三井家や製糸大手の片倉工業に引き継がれ、1987年まで製糸工場として操業を続け、現在は歴史的資産として保存されている。

 敷地内では繰糸場、東・西繭倉庫、 外国人宿舎、富岡製糸場の建設を指揮したブリューナの館など、いずれも国の重要文化財指定の建物群を見学できる。

 富岡製糸場へは、上信越自動車道富岡ICから10分。JR高崎駅から上信電鉄で40分、上州富岡駅下車。

 

情報提供:トラベルニュース社