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訪日外客の買い物、消耗品も免税対象に-免税手続き簡素化も

  • 2013年12月16日

 自由民主党と公明党が12月12日に決定した税制改正大綱で、外国人旅行者の買い物について、全品目が消費税免税となった。外国人旅行者向け消費税免税制度の見直しによるもので、現在は家電、装飾品、衣類、靴、かばんなどが対象だが、現在免税対象外の食料品や飲料類、たばこ、薬品類や化粧品など消耗品を追加した。2014年10月から開始する予定だ。

 今回新たに加わった消耗品は、免税対象品だけで1人1日1店舗あたり5000円以上50万円以下購入した場合、免税となる。旅行中に消費されないよう、国土交通大臣と経済産業大臣が財務大臣と協議して定める方法により包装することも条件の1つだ。また、購入者は購入後30日以内の国外への持ち出しを誓約する購入誓約書を作成する必要がある。

 また、今まで免税となっていた消耗品以外についても、1人1日1店舗あたりの額が100万円を超える場合は、免税店が保存しなければならない書類に、購入者のパスポートなどの写しを追加した。なお、既存の免税対象品目については、1人1日1店舗あたり1万円超の購入が免税対象となっている。

 さらに、免税手続きの簡素化もおこなう。現在使用している購入記録表を廃止してフリーフォーマット式にし、必要事項が記述された書類を各自作成し、提出するよう変更する。また、現行の購入記録表も引き続き利用できるが、今まで手書きで記入していた品目については、レシートの添付で対応可能にする。小売現場のIT化にも対応した手続き方法に簡素化することで、地方での免税店数の拡大に繋げたい考えだ。

 観光庁長官の久保成人氏は、今回の免税対象の拡大について、地域の観光産業や経済の活性化につながると期待を示す。消耗品に対象が広がったことで、地方の特産品や物産などのお土産も免税対象になることから「地場の消費の拡大につながるのでは」との考え。地方の免税店を増やしたいとし、地方運輸局などとともにサポートをおこなっていきたいと語った。

 なお、税制改正では資産課税についても変更を実施。ホテル、旅館の建物に係る固定資産評価の見直しをおこない、鉄骨鉄筋コンクリート造と鉄筋コンクリート造のホテル・旅館に利用されている家屋の資産評価について、経過年数を現行の50年から45年に短縮することが決定した。2015年の評価替えから適応となる。

 このほか、沖縄振興特別措置法の改正を前提に、沖縄の観光関連施設の立地促進をはかるための地域「観光地形成促進地域」における課税の特例を拡充。現在、優遇措置として対象となる観光関連施設は投資税額の控除などを受けられるが、今回の改正では投資税額控除の下限所得価格を1000万円超までに引き下げたほか、対象となる施設の条件の一部を緩和した。