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英国、SNS活用、旅行会社にフィードバック-日本の潜在需要に期待

  • 2013年11月24日

(右から)英国政府観光庁海外統括局長のビーチャム氏、日本代表のハーヴィー氏 英国政府観光庁は、SNSを活用したマーケティング活動を強化する。11月22日に都内で開催した英国観光ミッションで、同庁海外統括局長のキース・ビーチャム氏は「消費者と旅行会社の架け橋になるよう(SNSを)活用していきたい」と意欲を示した。FacebookやTwitterなどで消費者に情報を提供するとともに、意見を集めその結果を旅行会社にフィードバックしていく。

 日本代表のアシュリー・ハーヴィー氏は「SNSは消費者の隠れた、小さな声を吸い上げられる」と利点を説明。また、「SNSの持つ大変重要な役割として、旅行会社に対する情報提供に活用すること」があるとし、旅行会社にセミナーなどを通じて情報提供することで、商品造成や販売に役立ててほしい考えを示した。SNSに旅行会社の商品を紹介し、消費者の反応を見る取り組みも開始しているという。

 同氏は日本市場の傾向として、旅の情報収集はインターネットでおこなうが、旅行を購入する場合80%が旅行会社経由であるとし、旅行会社との関係を重視している点を改めて強調。ビーチャム氏も「日本の旅行会社は一度関わりを持つと、長い間関係を続けてくれる」と感謝の念を示した。

 英国政府観光庁によると、2012年の日本人訪問者数は約24万3000人。ビーチャム氏によると、今年は円安ポンド高などもあり12年と同様のレベルで推移している。ただし、今年7月に発表された国家ブランド指数(NBI)調査において、日本で英国の「温かい歓迎」カテゴリが7ランク増の10位に、「もし予算の制約がなかったらどこに行きたいか」では2ランク増の3位になっていることから、ビーチャム氏は「日本の消費者は英国にとても興味を持っており、行きたいと思っている」と潜在需要に期待を示した。

ワークショップは22企業・団体が出展 同氏は日本人旅行者は1人あたりの消費額が世界平均の2倍と高く、マナーも良いため英国人に好まれている点、旅行会社と関係性が深いことをあげ、日本市場の重要性を強調。英国政府観光庁では2020年までに日本人訪問者数30万人の達成を目標にしており、今後は団塊世代をメインターゲットに、2011年から4ヶ年計画で展開している「GREAT」キャンペーンで英国ブランドをアピールするとともに、多彩な旅行商品の造成を促していくとした。

 GREATキャンペーンでは、英国大使館などと協力し、食事やスポーツ、ショッピングなどのテーマを打ち出し、日本で人気のあるロンドンやコッツウォルズ、湖水地方などカントリーサイドと絡めてアピールしていく。例えば、食では「Food is GREAT」とし、TVや雑誌、SNSを活用したプロモーションを実施。料理のレシピ検索・投稿サイト「クックパッド」に「英国大使館のキッチン」コーナーも設けた。

 また、人気の高い観光地と、日本ではまだ認知度が低いマンチェスターやリバプールなどを組み合わせた旅行商品の造成も働きかけていく考え。旅行会社向けのセミナーを今年は9回おこなっており、来年も積極的にプロダクトを紹介していきたいとした。