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国交省、ITCチャーターの卸売可能、第1種限定で-パブコメ開始

  • 2013年3月14日

 国土交通省は3月12日付けで、ITCチャーターの規制緩和に向けパブリックコメントの募集を開始した。パブリックコメントでは、ITCチャーターでの包括旅行商品用座席の卸販売について、用機者と直接契約した第1種旅行業者も販売可能としている。

 ITCチャーターについては、航空法第130条の2に基づく許可の要件を求める「本邦を発着する国際チャーター便の運航について」(チャーター通達)において、ITCチャーターを実施する際「用機者が自己の名において包括旅行を販売すること」としている。複数の旅行業者が包括旅行商品を販売するケースについては、全旅行業者を用機者となる形でチャーターを実施する必要があると定められている。

 パブリックコメントでは、旅行業者が用機者となった場合の在庫リスクを負担できないため、ITCチャーターが成立せず、旅行需要に応えられていない場合があると説明。ITCチャーターの活用促進で、航空需要の拡大と観光の振興をはかるため、チャーター通達の改正をおこなうとしている。

 具体的には、ITCチャーターの販売において、用機者に加え、用機者と直接契約した第1種旅行業者も包括旅行商品用座席が販売できるよう改正する考え。航空局によると、ITCチャーターの座席を海外募集型企画旅行での利用とし、卸売対象社を第1種に限定した。また、販売の際は消費者に対し責任関係を明確化するため、募集に用いる書面に用機者名や運航社名などを明記する必要があるとした。

 ITCチャーターについては、日本旅行業協会(JATA)が長年に渡り、航空局に卸販売をはじめとした規制緩和を要望してきた経緯がある。JATA海外旅行推進部担当副部長の吉田利直氏はパブリックコメント募集を受け、「地方の中小旅行会社など、買い取りリスクから1社でチャーターを実施できない会社にとって救済措置となる」と期待を示した。同氏は卸販売の規制緩和はJATA側の要望書の一番の目玉であるとし、「地方空港から長距離路線が撤退する中、チャーターで座席を確保できるようになる。地方活性化につながるのでは」との考えだ。

 その一方、募集に用いる書面に用機者となる旅行会社名を明記することについては、責任関係を明記する必要があるとしながらも「ビジネス上の競合の問題が出るかもしれない」と懸念を示し、今後話し合っていくべき課題であるとの認識を示した。