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JTBとエクスペディアが業務提携、海外ホテル販売2倍めざす

  • 2013年2月21日

 i.JTB代表取締役社長の今井敏行氏によると、現時点でJTBの海外ホテルの仕入れでは、ルックJTBなどパッケージ用と団体用を強みとしており、FIT用に仕入れをしているのは全世界で約1000軒のみ。これに加えてGDS経由で約3万軒を販売しているが、これに約15万軒が加わることになる。一方、エクスペディア側は、現在「数千軒」(エクスペディア・ジャパン代表取締役の三島健氏)という国内宿泊施設に約7000軒を追加する。

 JTBのオンライン販売事業は、2012年度で前年比20%強の1300億円ほどとなる見込み。とはいえ、海外航空券を年間約10万席、約100億円分を販売しているのに対して、海外ホテル予約は「仮に(航空券購入者が)4泊するとすれば40万泊」(今井氏)であるにも関わらず10%程度しか取り込めていないことから、2013年度はこれを2倍に増やしたい考え。エクスペディアの三島氏も、「国内は着手したばかり。目標としてはアグレッシブに倍倍でいきたい」という。

 JTBでは海外で日本以外への海外旅行の販売をめざしているところで、エクスペディアとは競合関係となる。これについて田川氏は、「それぞれのエリアでの協業と競争はある。それは是々非々でやっていく」と説明。2008年1月に北欧のランドオペレーターであるツムラーレを買収したことを例示し、「そういうことを含めてやっていく必要がある」と語った。

 一方、エクスペディアでは、すでに近畿日本ツーリスト(KNT)や阪急交通社とも提携しているが、三島氏は「(それぞれ)切り口が異なり、関係性、習熟度を深めていきたい」とコメント。オンラインでのエクスペディアサイトについて、「自分たちの一番強いところにフォーカスするという部分はきちんと守っていきたい」としつつ、「必ずしもすべてのお客様がオンラインに来るわけではない」とし、旅行会社を通した流通にも積極的に取り組んでいく考えを示した。