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観光庁13年度予算、前年並みの102.3億円-復興枠は7割増の5.7億円

  • 2013年1月30日

 政府は1月29日、2013年度予算案を閣議決定した。観光庁によると、総額92兆6115億円のうち、観光関係予算は前年比1%減の102億3200万円。13年度は東南アジア・訪日100万人プランや、観光地域ブランド確立支援事業などを新たに設定。また、復興庁には復興枠として73%増の5億7700万円を計上した。

 観光庁の予算の内訳は、訪日外国人3000万人プログラムが1%減の82億800万円、ワークライフバランスの実現に資する休暇取得の促進が80%減の1600万円と減額した。一方、観光を核とした地域の再生・活性化は45%増の4億3000万円、観光産業の再生・活性化も17%増の1億9900万円と増加した。その他、観光統計の整備は42%減の5億1800万円、計上事務費などが1%増の2億8400万円となった。

 訪日外国人3000万人プログラムでは、訪日個人旅行や、国際会議などMICEの誘致・開催の促進、送客元の多元化をはかることで、震災や外交関係など外的要因の影響を受けにくい訪日外客構造への転換をめざすとした。さらに、官民含むオールジャパンでの連携強化や、震災によるマイナスイメージからの転換、訪日ブランドの強化もおこなっていく。訪日旅行促進事業(ビジット・ジャパン事業)では11%増の54億9100万円を、新設した東南アジア・訪日100万人プランでは5億9900万円を計上した。訪日外国人旅行者の受入環境整備事業は、昨年よりもテーマを絞って実施するため67%減の2億8000万円とした。

 観光を核とした地域の再生・活性化では、新たに観光地域ブランド確立支援事業(3億4300万円)と観光地域評価事業(4900万円)を設立。観光地域ブランド確立支援事業では、国際競争力の高い観光地域づくりのため、地域独自のブランドの確立と、日本の顔と位置づける観光地域の創出に向けた取り組みへの支援を実施。観光地域評価事業では、各地域の課題や改善点の明確化をはかるための客観的な評価体系の構築と、恒常的な評価の実施による戦略的な観光地域づくりの促進をめざす。

 観光産業の再生・活性化では、地域宿泊産業再生支援事業(2億円)と旅行の安全の確保・向上方策検討調査(2億5000万円)を新設。地域宿泊産業再生支援事業では、経営悪化などに直面した宿泊産業に対し、周辺地域や近隣の大学を活用し、経営計画の見直しなどをおこなうことで、自立して継続的な取り組みができる支援の仕組みの確立をはかる。また、旅行の安全の確保・向上方策検討調査では、LCCや高速ツアーバスの普及に伴う安全性への懸念や、ツアー登山事故、インターネット販売の多様化に伴う責任主体の不明確化などを受け、旅行の安全の確保のための管理体制の構築、充実のための調査、検討を実施していく。

 そのほか、ユニバーサルツーリズム促進事業として336%増の3900万円を計上し、認定制度導入の調査、研究や、地域における受入体制の強化をおこなっていく。また、ニューツーリズム普及促進モデル事業では27%減の1600万円とした。

 復興庁計上分の復興枠では、東北地域観光復興対策事業(1億9900万円)、福島県における観光関連復興支援事業(3億7800万円)を新たに設定。太平洋沿岸エリアの旅行需要回復支援のため、東北観光博の仕組みを踏まえた支援を実施すると共に、風評被害対策として、福島県の観光復興促進のために、関連事業に対する補助をおこなっていく。