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13年に「地域限定第3種」を創設-第3種で全額事前収受可能に

  • 2012年10月23日

 観光庁は着地型旅行の促進のため、「地域限定第3種旅行業」を2013年に創設する計画だ。これは、2011年4月に閣議決定された「規制・制度改革に係る方針」の、着地型観光に即した各種業規制の見直しに基づいたもの。業務範囲を限定する一方、営業保証金の供託額と基準資金額を第3種より引き下げ、旅行業への新規参入を促すねらい。

 地域限定第3種では、国内の限られた区域での手配旅行と企画旅行を実施できる。対象地域は、現行の第3種旅行業者が募集型企画旅行を実施できる区域と同一で、その会社の本社や営業所がある国内の市町村とそれに隣接する市町村、離島や一定の半島地域のみ。営業保証金の供託額と基準資金額については、第3種がそれぞれ300万円以上であるのに対し、地域限定第3種では100万円以上に引き下げる。


▽第3種の事前収受金制限を撤廃

 観光庁ではあわせて、既存の第3種旅行業についても規制を緩和。募集型企画旅行を実施する場合の事前収受金の制限を撤廃する。これは、2007年に第3種旅行業者が限定的に募集型企画旅行を実施できるようにした際、消費者保護の観点から設定したもので、旅行の申し込みの段階で受け取れる旅行代金を総額の20%相当額までに制限していた。

 これに対し、発地側の旅行会社が該当商品を販売する際、例えば旅行代金が1万円の商品の場合、取扱手数料の算出対象が20%の2000円となってしまい、販売側のメリットが少なくなるため販売意欲を喚起できていなかったという。今回の規制緩和では、こうした声に応え、事前収受金の制限を撤廃する。

 なお、地域限定第3種創設や第3種の事前収受金制限撤廃のためには旅行業法施行規則の一部改正が必要となるが、観光庁ではすでにパブリックコメントを7月に募集済み。現在公布に向けて省令を準備中で、公布は来月以降になる見込みだ。10月23日の定例会見で、観光庁長官の井手憲文氏は「13年のなるべく早い時期に実施したい」と意欲を示した。