フランス、13年のターゲットは女性とシニア-地方への誘客はかる

  • 2012年10月4日

(右から)フランス観光開発機構(ATF)在日代表のフレデリック・メイエール氏、広報担当の佐藤由紀子氏  フランス観光開発機構(ATF)は13年のターゲットとして女性とシニア層を設定し、プロモーションを展開していく。10月3日に都内で開催した観光ワークショップ「Sakidori France」で、ATF在日代表のフレデリック・メイエール氏は「フランスの知名度をあげるのではなく、客層やテーマを絞ってアピールしていく」方針を示した。

 女性向けには、13年から「フランス女子会」として、女性が興味を持つファッションやショッピング、美容や食などをテーマに、女性グループの旅行促進をはかる。今夏に試験的に女子会専用ウェブサイトを立ち上げており、来年から本格的に運用を開始していく。また、シニア向けにはフェイスブックなどSNSを活用していく考えだ。メイエール氏によると、日本のシニア層は快適性、安全性をより求める傾向があるため、こうした特性を現地の宿泊施設やサプライヤーなどにも伝え、質の向上をはかるなどの取り組みも進めているという。

 メイエール氏によると、2012年の上半期の日本人観光客数は増加傾向にあり、6月の日本人宿泊総数も前年比10%増と堅調に推移。パリに加えて地方都市を訪問する旅行者が増加傾向にあり、滞在日数も伸び調子だ。メイエール氏は「フランスの魅力は多様性。地方ごとに文化や食、自然などはまったく異なる」と述べ、パリに加え、地方各地のさまざまな見どころを訴求していく考えだ。旅行会社に対しても地方を訪問する商品の造成を働きかけており、先ごろミディ・ピレネー地方やノルマンディー、ローヌ・アルプ地方などを訪問するスタディツアーも実施した。

 そのほか、13年は「感動大国、フランス。」プロモーションを継続し、「感動を体感する旅」を打ち出していく。さらに、4月には大規模な交通広告を展開。公式サイトに新コンテンツを設け、旅行会社向けのFacebook立ち上げを検討するなど、インターネットを活用したプロモーションも強化していく。また、13年のポイントとして、マルセイユが2013年の欧州文化首都に選ばれたことを紹介。さらに4月から9月に開催される第2回ノルマンディー印象派フェスティバルをアピールした。

 なお、ワークショップには現地から24の企業・団体が来日。メイエール氏は「日本はまだ伸びる余地があると考えて(現地から)参加してくれている」と喜びを述べた。今回は南フランスのイエール観光局やアコージャパンをはじめ初参加の出展者もおり、例えばイエール観光局はワークショップにあわせて日本語ブローシャーを作成。今後も日本市場での認知向上をめざしていくという。