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アクセスランキング、1位は羽田米国線、5路線を一挙開設も

[総評] 今週は、羽田発着の米国線に関する記事が1位になりました。これは、デルタ航空(DL)が羽田/デトロイト線を運休することで空く発着枠に対して、DLを含む米系航空会社4社がそれぞれ路線を申請したものです。先週も関連する記事が2位に入っており、引き続き注目度の高さが伺えます。

 各社が路線を申請した都市は、DLがシアトル、ユナイテッド航空(UA)がサンフランシスコ、アメリカン航空(AA)がロサンゼルス、ハワイアン航空(HA)がコナですが、やはりなんといってもHAのコナ線が目を引きます。

 コナは日本航空(JL)が2010年末に運休してからオフラインになっていますが、ハワイ自体は引き続きトップデスティネーションの一つですし、コナ線が実現すれば旅行会社にとっては力を発揮しやすい路線になりそうです。もちろん他の3路線も、羽田/米国線の時間帯を考えると利便性の高い西海岸ですし、旅行会社として販売しやすくなる可能性は十分にあります。

 ただ、最終的に路線を決定するのは米国運輸省(DOT)なのですが、DOTへの申請書類では、各社とも自社の申請した路線の特徴をアピールしながら他社を攻撃しあっており、「ああ言えばこう言う」という言葉がぴったりな書類を読んでいてもどの路線が優位かは判断しかねます。

 とはいえ、UAアジア太平洋・大西洋地区営業担当副社長のジェームス・ミュラー氏の言葉を借りれば、判断基準は「アメリカ国民にどれだけメリットがあるか」で、遅くとも9月末にはDOTからの返事があるとのことですから、JATA旅博の頃には判明していて、会場内で商品化に向けた商談がなされるようなこともあるかもしれません。

 今週はこのほか、トランスアジア航空(GE)が日本路線を一挙に5路線開設することをお伝えした記事が3位に入っています。うち4路線は北海道で、札幌、函館、旭川、釧路に週1便から2便を運航するのみですので、規模としてはさほど大きくないのですが、台湾からのインバウンドという意味では間違いなく追い風になります。台湾経由で中国本土などからの需要も見込めるかもしれません。

 また、GE日本支社マーケティング統括部長の犬間雅信氏は、インバウンドだけでなくアウトバウンドの可能性も積極的に探る方針を示されています。先週も触れましたが、竹島・尖閣問題が北アジア圏内の空気を不穏なものにしているものの、4位に入った記事でお伝えしている通り、幸いにも今のところ旅行需要への影響はわずかなようです。

 「喧嘩するほど仲が良い」という言葉がありますが、距離的、心理的に近くなければ喧嘩は起きにくいものです。GE就航など様々な機会を捉え、韓国、中国、香港を含め、民間の観光交流を根気強く維持、推進することこそ、旅行会社の役割なのではないかと思います。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2012年8月第5週:8月25日0時~8月31日17時)
第1位
羽田枠に4路線申請、HAはコナ線-LAX、SFO、SEAも(12/08/28)
ユナイテッド、羽田枠に自信-サンフランシスコの乗継利便性を強調(12/08/30)

第2位
東電、風評被害の賠償対象地域に宮城県丸森町を追加(12/08/25)

第3位
トランスアジア航空、9月に日本5路線新設-需要獲得へ認知向上(12/08/27)

第4位
竹島・尖閣、旅行への影響は軽微-各社、今後の動向注視(12/08/25)

第5位
全日空、サンノゼ線開設は13年1月-下期路線計画明らかに(12/08/25)

第6位
日本航空、シンガポール線増便など決定-下期事業計画で(12/08/27)

第7位
ピーチ、「原理主義的LCC」めざす-直販比率は7、8割想定(12/08/29)

第8位
日本航空、運賃設定の期限廃止-13年4月以降、ハワイ、グアムから販売(12/08/27)

第9位
現地レポート:グアム、MICE誘致を強化-2013年の大型施設開業を控え(12/08/28)

第10位
エバー航空、函館/台北線を開設、小松線増便、名古屋線は運休(12/08/29)