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オランダとフランダース、共通点活かしプロモ実施-40歳前後と熟年層に注力

  • 2012年5月6日

(右から)ベルギー・フランダース政府観光局本局代表CEOのペーター・デ・ウィルデ氏、オランダ政府観光局本局マネージングディレクターのヨス・フランケン氏  オランダ政府観光局とベルギー・フランダース政府観光局はこのほど、マーケティングアライアンス設立一周年の記念レセプションを開催した。来日したオランダ政府観光局本局マネージングディレクターのヨス・フランケン氏は「アライアンスはマーケティングだけでなく費用面でも効果的」と評価。「今後も互いの強みを生かし、Win-Winの関係を築いていきたい」と意欲を示した。

 ベルギー・フランダース政府観光局本局代表CEOのペーター・デ・ウィルデ氏も、オランダとフランダースは地理的な近さに加え「言語や歴史を共有している同じ文化圏。力を合わせることで一層の効果を発揮できる」と両局共同でのマーケティングの効果を強調。互いの独自性を尊重しながら、引き続き共通点を活かしてプロモーションを展開していく考えを示した。各局それぞれの強みを生かしながら、花や芸術、建築など共通のテーマのある旅を提案していく考えで、すでに共同のウェブサイトを展開し、ニュースレターも発行しており、テーマごとのモデルプランなども設定しているという。

 また、両局の主なターゲットとして、文化遺産や芸術に興味がある55歳以上の熟年層のグループと、デザインやファッション、建築に興味が高い30代後半から40代後半のFITを設定。フランケン氏は「こうしたターゲットの旅行のモチベーションとなるアイテムが、両地域ともに強みとしてあるため、共にプロモーションをするのに有効」と述べた。

 さらに、現地のイベントや記念年もアピールし、旅行のきっかけづくりにつなげていく。今年はオランダで国際園芸博覧会「フロリアード2012」が開催。2013年はアムステルダムの環状運河400周年、オランダ君主制200周年などがある。また、フランダースでは2013年にブリュッセルで初期フランドル画家であるロヒール・ファンデル・ウェイデンの展覧会や、アントワープ王立芸術アカデミーのファッションアカデミー50周年などがあるという。

来日したスタッフや日本事務所スタッフと  2011年のフランダースとブリュッセルへの日本人旅行者の宿泊数は前年比13%増の約17万8000泊。オランダは日本航空(JL)の直行便の運航停止により旅行者数が9%減、宿泊数も3%減となった。しかし、フランケン氏によると、旅行業界からのヒアリングでは今年の春、夏のパッケージツアーの予約状況は前年より20%から30%伸びていると期待を示した。

 また、ウィルデ氏は日本人旅行者増加をはかるため、直行便の必要性について言及。現在フランダース地方には直行便がないが、全日空(NH)のボーイングB787型機の導入を契機に「2014年以降、日本からブリュッセルへの直行便就航の可能性が生まれてくるのでは」と期待を示した。