itt TOKYO2024

12年の展望(1):11年業界推移取扱高、明暗分かれる-アンケート調査より

国内は東北の需要減が影響、訪日は原発、円高で落ち込み厳しく

  国内旅行は海外旅行に比べ、伸び率が低かった。回答を得た26社でみると、10%以上増とした会社はなく、5%増から9%増も2社にとどまり、海外旅行よりも回復が鈍いことがわかる。プラスマイナス4%以内は8社、5%減から9%減は5社、10%以上減はもっとも多い11社となり、回答社の6割強で前年を下回る結果となった。

 また、震災の影響で東北や関東の旅行需要が落ち込んだことが要因となったという旅行会社は22社にのぼった。「西日本方面の旅行販売を強化したが、東北の落ち込みを補いきれていない」と厳しい市場環境を伺わせるコメント(リテーラー)もあった。その一方、10月以降は九州や関西の需要が東北の落ち込みをカバーしたという会社(メディア・通信販売系)もあった。プラス要因としては、九州新幹線全通による九州内旅行の増加があがった。



 訪日旅行は取り扱いのある19社で傾向が分かれた。10%以上増となったものは2社、5%増から9%増が1社と、前年実績を超えた会社もあったが、5%減から9%減は8社、10%以上減は7社となり、回復に至っていない会社が8割強となった。

 前年以上増加したのは、11年から訪日旅行に参入した会社(業務渡航系)などごく3社。震災の影響や原発事故への不安、風評被害に加え、長期化する円高も訪日需要の減退へと繋がったとの意見がほとんどを占めた。