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スリランカ、12年の日本人は45%増の2.7万人へ
-集中プロモ-ション開始へ

  • 2011年12月14日

(左から)日本経済広告社取締役の馬場滋氏、駐日スリランカ大使のワサンタ・カランナーゴダ氏、国際協力機構理事の佐々木弘世氏、日本旅行業協会理事の米谷寛美氏  スリランカ政府観光局は、2012年の日本人渡航者数の目標を2011年予測値の45%増にあたる2万7054人に設定した。このほど日本での広報担当として日本経済広告社(ADEX)と契約し、12年初頭から集中的にプロモーションを展開。認知向上をはかり、渡航者増へつなげたい考えだ。

 12月14日に都内で開催したキックオフカンファレンスで、駐日スリランカ大使のワサンタ・カランナーゴダ氏は、スリランカの内戦は2009年5月に集結しており「今では世界の中でも最も安全な場所の1つとなった」と安全性を強調。12年が日本との国交樹立60周年を迎えることもあり、日本人渡航者数の増加に期待を示した。

 また、2015年までにホテルの客室を現在の1万5000室から3万室へと拡大するほか、課題となっている道路の混雑改善のため、高速道路の建設などインフラ整備も進めているとした。さらに、スリランカ航空(UL)が成田/コロンボ線を12月25日から週4便、12年7月24日から週5便に増便することから「2ヶ国の観光関係をより強めることに貢献する」と期待をみせた。UL日本韓国地区支配人のダンミカ・クラトゥンガ氏も「2013年にはデイリー化をめざしたい」と意欲を示した。

 カランナーゴダ氏によると、2010年の全世界からの渡航者数は前年比52%増の75万人で、2016年までに250万人への拡大をめざす。このうち日本人渡航者数は、10年は30%増の1万4352人で、11年は30%増の1万8658人に着地する見込みだ。12年は45%増の2万7054人達成をめざし、「ディスティネーションキャンペーン2012」と題したプロモーションを展開する。

 プロモーションのターゲットは20代から40代の女性、30代以上の独身男性、女性50代、男性60代以上のシニア世代で、海外旅行の熟練者で目的を持って旅行をする層に設定。ブランドイメージを「パワースポットアイランド スリランカ」とし、「手付かずの自然」「世界遺産」「スリル」「ワイルド」「至福の時」「美しい景色」「エッセンス」「祭」の8つの切り口でプロモーションを展開していく。

 今後は12年初旬をめどに日本人向け観光局ウェブサイトを立ち上げるほか、フォトライブラリーやプロモーションDVD、プランナーガイド、パンフレットなどを作成。旅行会社向けにはセミナーやFAMツアーも実施する。消費者向けにはスリランカ親善大使を設定し、イベントをおこなうほか、5分間のスポット番組の制作、電車内広告などメディアでの露出も強化する。


▽JATAがスリランカを訪問、インフラ整備やビザの課題も

 カンファレンスでは、日本旅行業協会(JATA)理事の米谷寛美氏が登壇し、11月にJATAの役員とスリランカを訪問したことを振り返り、インフラ面での課題を指摘。道路の混雑改善や、途中でトイレ休憩ができる施設の必要性を述べた。また、12年1月から導入される、スリランカの電子入国許可(ETA)の事前ビザシステムについては、「日本の旅行者にとって大きな障害になるのでは」と懸念を示した。すでにJATAスリランカ・モルディブ観光促進ワーキンググループの座長名で改善に向けたレターを発出。今後も働きかけを継続していく考えだ。

 なお、ETAの導入は、9月30日から12月31日までを猶予期間としており、猶予期間中は12年3月31日までにスリランカに到着する場合、ETAの手続きなしで旅行の手配や事前予約が可能だ。