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スペシャリスト・インタビュー<DS>:JTB西日本 岸田真規子さん

ネット時代だからこそ、大事にしたい信頼感

Q. DSを取得した成果は感じますか

 DS取得の勉強を通して、あらためてアメリカが観光素材にあふれた大きな国であることを実感しました。メジャーな都市の歴史や文化はもちろん、DSの出題範囲には通常販売しているツアー内容とは一線を画した、馴染みの薄い地域の観光情報も数多くありました。

 ただ現実には、アメリカ旅行に行くお客様は減少傾向にあり、需要がある地域も集中しているのが実情。ラスベガスやオーランドなど、1都市滞在型の販売がほとんどです。DSで学んだ膨大な情報も、直接的に活用する機会があまりないのが正直なところです。


Q.もったいないですね。そうしたギャップはなぜ起きてしまうのでしょう

 ここ数年で、関空発の北米路線の座席供給量が減少したことが、影響しているのではないでしょうか。現在、関空から北米への直行便は、ユナイテッド航空(UA)のサンフランシスコ線とデルタ航空(DL)のシアトル線のみです。FITのお客様なら、アジア系キャリアの乗り継ぎ便にも抵抗がないのですが、当支店のメインであるパッケージツアー志向のお客様、特に熟年の方はどうしても乗り継ぎが多い方面を避けられる傾向にあります。来店された時点では旅行先の選択肢にアメリカがあっても、実際のフライト事情を聞き、方面を変えられてしまうことも少なくありません。アメリカ周遊の代表格といえるグランドサークルなどの大自然周遊コースも、本来のターゲットである熟年のお客様を中心に、もっとご提案する機会が増えて欲しいです。

 一方で、アメリカツアーの主力であるハネムーナー層は、近年の経済不況の影響か、取得できる休暇の日数が短くなっているため、日程的に周遊旅行が難しくなっています。結果、どうしても一都市滞在が多くなるのです。さらに、路線の減少の影響で東海岸へのアクセスが特に悪くなっているので、乗り継ぎ時間のロスが多いオーランドやニューヨークも販売しにくくなっています。