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関空と中部、10年度は増収増益、国際線旅客数も増加

  • 2011年5月20日
 関西国際空港と中部国際空港の2011年3月期(2010年4月1日〜2010年3月31日)連結決算は、いずれも増収増益となった。関空は営業収益が前年比3.3%増の893億5400万円であったのに対して営業費用を4.9%減の739億円と削減し、営業利益は51.5%増の125億7100万円と拡大。中部は売上高が0.7%増の422億7000万円と前年並みであったが、営業費用を6.7%減の411億8000万円に抑え、営業利益は280.1%増の41億3000万円となった。

 関空では、積極的な外国航空会社の誘致などにより、国際線の航空機発着回数が2.9%増の1日104.2便と増加。国内線旅客便は11.3%減の1日42.2回と減少したものの、航空機の総発着回数は1.7%減の1日146.4回と前年並みを維持した。また、旅客数は中国や韓国などアジアからが好調で、外国人旅客数が過去最高となり、国際線旅客数が8.7%増の1040万3000人に増加。国内線は4.3%減の377万4000人。また、KIXエアサイドアベニューが2010年3月にグランドオープンしたこともあり、商業施設からの収入が大幅に増えたという。営業費用は、経費削減や減価償却費の減少によるものという。

 2012年3月期(2011年4月1日〜2012年3月31日)の業績予想では、東日本大震災の影響を十分見通せていないとしつつ、営業収益が4.0%減の858億500万円、営業利益が27.3%減の138億4900万円を予想。外国航空会社による新規就航や増便を見込む一方、震災の影響で需要減少が懸念されるため、航空機発着回数は0.1%減の10万6000回、旅客数は4.1%減の1359万人とした。

 一方、中部の発着回数は国際線が0.3%増の年3.0万回、国内線が5.6%減の年5.2万回。旅客数は国際線が4.9%増の451万人、国内線が5.2%減の469万人となり、合計で0.5%減の921万人であった。日本航空(JL)の減便などの影響を最小限に留めるため、路線網の拡充を進めたほか、商業施設でも免税店が国際線旅客数の伸びを上回る成果を上げたという。営業費用は、コスト削減やシステムの減価償却が終了したことなどにより、固定費を下げられたという。

 2012年3月期については、東日本大震災の影響を算定できないため「未定」とした。期間中、アウトバウンド促進のため「フライ・セントレア」活動を地域と一体的に取り組むほか、旅行会社などと連携してより広い地域の需要の取り込みや、乗継需要の拡大を推進。また、インバウンド需要の喚起と開拓、エアポートセールスの強化などに取り組む方針だ。


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