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ハワイ体験レポート:旅スポハワイのグループランニング

  • 2011年4月21日
旅スポハワイのグループランニング
〜ワイキキの朝の空気を楽しみつつ走る〜


 1年中気候の安定しているハワイ。海のスポーツに限らずランニングやウォーキングなど、陸のスポーツを楽しむにも最適の条件を備えている。ハワイ州観光局(HTJ)が2011年度マーケティング戦略のひとつとして、ハワイでのスポーツの楽しみを提案する「旅スポハワイ」をスタートさせ、イベントや大会などの情報を集めたウェブサイトを立ち上げて、プロモーション展開をはじめたことは記憶に新しい。その一環として今年1月からスタートした「旅スポハワイグループランニング」に、大韓航空(KE)とハワイ州観光局(HTJ)が共催で3月10日から3月14日まで実施したハワイ研修旅行の参加者が挑戦した。以下、その様子をレポートする。


地元ランナーと一緒にランニング

 旅スポハワイのグループランニングは毎週土曜日、ワイキキ周辺で朝8時からスタート。「地元ランナーと一緒に走ろう」をコンセプトのひとつに掲げており、ランニングやトライアスロンなど各種スポーツのトレーニングを一般アスリート向けに実施しているハワイのクラブ「チームジェット」の協力を得て開催される。ゆっくりペースのグループ、速いペースのグループに分かれ、チームジェット所属のコーチ主導で1時間弱のランニングを楽しむという企画だ。ゆっくりペース組は約5キロ、速いペース組は約8キロを、同時間で走ることになる。

 コースはアラモアナ・ビーチパーク周辺とカピオラニ・パーク周辺の2つがあり、隔週でコースが変わる。「アラモアナコースは海沿いを走るコースで、カピオラニコースは公園の緑の中も走るコース。どちらも坂道がなくフラットで初心者向き。しかも一本道ではなく景色の変化が楽しめる、地元ランナーに人気の2コースを選定した」と語るのは、グループランニングのハワイでの窓口を務める、スポナビハワイ代表の阿部栄一氏。長期滞在者など2度以上グループランニングに参加する人もいるため、2コースを提供しているとのことだった。




予約不要で参加費も無料

 研修旅行の一行がグループランニングに参加した日は、雲ひとつない晴天だった。ランニングのスタート地点は、ワイキキ中心地のワイキキ・ビーチウォーク。目印として「旅スポハワイ」と大書された鮮やかなのぼりが掲げられ、受付デスクも設置されるので分かりやすい。事前申し込みは一切不要で、参加費も無料といった手軽さも好評だ。

 爽やかな空気が漂う早朝のワイキキに次々とランナーが集まりはじめ、この朝は約20人が集合。日本人観光客だけではなく、地元ランナーの姿もちらほら。1月8日にはじまったばかりのグループランニングだが、早くも地元ランナーの間にも浸透しはじめているとのこと。以前、ナイキタウン主催で行なわれていたランニング・クリニックの常連ランナーたちが、今ではこちらに参加しはじめているとも聞いた。

 この日のコースは、海沿いを走るアラモアナコースだった。ランナー集合後は、チームジェットのコーチが日本語と英語でランニング上のマナーやルールなど、注意点を説明。5キログループか8キログループで走るかを各人が決め、いよいよランニングに出発だ。



ゴール地点ではリフレッシュメントも楽しみ

 この日、チームジェットから参加したコーチは3人。ジュリーさんら2人が8キロコースを先導し、日本人コーチの奈々さんが5キロコースを担当した。グループはワイキキ・ビーチウォークを出発してすぐビーチに出て、フォート・デルッシー・ビーチパークの海沿いを走る遊歩道を、アラモアナ方面に向けて走る。5キロコースではアラモアナ・ビーチパークのゲートを入ったところで折り返し、8キロコースではさらに公園内のマジックアイランドを1周して、スタート地点に戻るという道程だ。

 8キロ組のペースは比較的速めだが、5キロ組はさほど無理のない緩やかなペースで、すぐ横に海を眺めながらランニングは気持ちがいい。この5キロコースには日本人コーチの奈々さんが毎回付き添い、全員に目を配りながら走ってくれるので、初心者でも安心感がある。そして往路と同じコースを走ってスタート地点に帰りつくと、一足先に到着していたランナーたちが拍手などで賑やかに出迎えてくれる。さらには冷たい水やフルーツ、クッキーといったリフレッシュメントの用意もあるのがうれしい。単に走って終わるのではなく、終了地点でちょっとした楽しみが待っているのも、このグループランニングにイベント的ムードを加味し、楽しいものにしているといえるだろう。


ハワイ旅行のよい思い出に

 さて研修旅行の参加者だが、今回久々に走ったという人がほとんどだった。5キロコースを走った中国ターミナルサービスの花木ちひろさんはスポーツジムでたまに走ることはあるとのことだが、「今日のランニングとジムで走るのとでは全く違う。ハワイの景色を楽しみつつ、風を受けながら走るのは本当に気持ちよかった。走るスピードもちょうどよい」との感想を聞かせてくれた。若い世代はもちろん、元気なシニア層にもこのグループランニングをすすめたい、とのことだ。

 また今回が初めてのハワイ訪問だったという名鉄観光サービスの森本亮介さんも「海沿いのコースで、早朝だったため思ったより日陰も多く、気持がよかった。走り終えた後は爽快感7割、疲労感3割。こういう機会でもないと走ることがないので、ぜひまた参加したい」。さらには、「地元広島では広島城の周りを夫婦で走る40代から70代のランナーがたくさんいるが、そういった熟年のランナーに、ぜひハワイで走ることをすすめたい」とも強調していた。

 そして20年前にホノルルマラソンに参加して以来、久しぶりに走ったというフジトラベルサービスの菊池みどりさん。ホノルルマラソンの後はもう2度と走りたくないと思ったと笑うが、「今回のランニング終了後はまたぜひ走りたいと思った。景色を楽しめたし、走り終わった後の達成感がまた素晴らしい。風や空気が本当に気持ちいいハワイで、ほかの方々にもぜひ走ってほしい。ハワイ旅行のよい記念になるはず」と太鼓判を押す。このほかにも、自分一人では絶対に走らないだけにグループで走るという点でも楽しめた、という参加者もいた。

 これはグループランニング参加者全体にいえることだが、走りはじめる前は少々緊張気味だったランナーの面持ちが、走り終えた後は爽快感に輝いて上気し、表情がずいぶん違っていたのが印象的だった。このグループランニングが、熟練ランナーにもビギナーにも、同等に楽しめる企画であることは間違いないだろう。

 なおグループランニングは13歳以上が対象。悪天候でキャンセルされる場合もあるが、軽い雨くらいなら催行される。参加に際しての注意事項として阿部氏は、「ランニングシューズはもちろん、走りやすい服装での参加を。荷物を預かるサービスはないことも知っておいてほしい。またランニングでは水分補給が大切なので、喉が渇いた状態のまま走りはじめたりしないように」とのポイントをあげてくれた。次回のハワイではランニングシューズを持参して、爽快な朝のワイキキを走ってみてはいかがだろうか。


▽HTJ・旅スポハワイ
http://www.gohawaii.jp/Tabi-Spo/#/about/


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ワイキキ(オアフ島)



取材:森出じゅん