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オーストラリア、20年に消費額2倍めざす−新指針、FIT・SITなど強化へ

  • 2011年3月9日
 オーストラリア政府観光局(TA)はこのほど、2020年に日本人訪問者数を2010年比で約40%増の56万人、観光消費額を2倍の30億豪ドルに拡大する目標を設定した。TA日本・アジア統括本部長のリチャード・ビアー氏によると、これはTA本局による新指針「2020ツーリズム・インダストリー・ポテンシャル」に沿ったもので、全体でも観光消費額を倍増して1400億豪ドルの達成をめざしているところ。TA日本局長の堀和典氏は、日本では成長が続くFITやSITに注力するほか、教育旅行への取り組みも強化する方針を示した。

 ビアー氏は、新指針のもと、世界中で「深みのある体験を求める人」を積極的に取り込んでいきたいという。このターゲットに対して、オーストラリアを「価値のあるデスティネーション」として打ち出す方針で、ニーズに合った商品をアピールしていく。また、「もしニーズに合う商品がなければ開発に取り組む」といい、ブルー・マウンテンズ世界遺産登録地域の中心にある「ウォルガン・ヴァレー・リゾート&スパ」を例にあげ、投資の誘致によって素材の充実をはかる考えだ。

 なお、日本市場での具体的な戦略は4月中旬以降に順次発表する予定だ。


▽ビアー氏が4月に退任、後任には現欧米・NZ統括本部長のキーラー氏

 ビアー氏は4月、本局の組織改編にともなって日本・アジア統括本部長を退任する。後任には、現在欧米・NZ統括本部長を務めるフランシス・アン・キーラー氏がマーケティング本部長に就任し、日本を含む海外市場を統括するという。ビアー氏は、TAでの23年間を振り返り、「アップダウンはあったがTAのチームが常に前向きであったこと、現在の需要が回復傾向にあることは喜ばしい」とコメントした。

 また、キーラー氏は以前、英国政府観光庁のスタッフとして来日した経験があることから、「再び日本に戻ってこられて嬉しい」と言及。その上で、「オーストラリアにとって日本は常に重要」とし、「2020ツーリズム・インダストリー・ポテンシャル」でも重点6市場に加わっていることを強調した。


※訂正案内(2011年3月9日 11時25分)
訂正箇所:最終パラグラフ第1文
誤:英国政府観光庁のスタッフとして日本に駐在していた経験があることから

正:英国政府観光庁のスタッフとして来日した経験があることから