体験レポート:本場でアーユルベーダ体験、究極の南インド癒しの旅14日間

  • 2010年12月14日(火)
 日常生活から離れて美しい景色を眺めたり、おいしいものを食べたり、いつもとは違う体験をしたりと、旅には日々の暮らしのなかで積み重なっているストレスを解消する“癒し”の効果があるはず。最近話題になっている「ヒーリングツーリズム」とか「ウェルネスツーリズム」は、旅が本来持っている“癒しの効果”を最大限に引き出そうとするもの。2010年9月、南インド、ケララ州にある本格的アーユルベーダ病院に併設されたリゾートで過ごした2週間は、私が忘れかけていた旅の本当の楽しさとヒーリングパワーをたっぷり体感させてくれた。
                               
                               
「アーユルベーダは外へ持って行くわけにはいきませんよ」

 ケララ州はインド亜大陸の南端、アラビア海に面して広がっている。東側に続く山脈は深い森に覆われ、その裾野には何百種類もの香辛料の材料になる植物が生育している。海岸近くにはココナツの林が続き、お米やタピオカ、バナナなどの栽培も盛ん。さらには魚介類も豊富。物質的には豊かとはいえなくても、人々の暮らしは穏やかだ。

 私が最初にケララ州を訪れた時は短時間で観光ポイントを視察したのだが、自然の美しさばかりでなく、奥深い魅力があると感じた。その鍵となるのは、どうやらアーユルベーダのようだ。

 日本ではアーユルベーダというと、単なる美容エステの施術の一つか、無暗に神秘的な雰囲気を強調して語られることが多い。また、いくつかのホテルのゴージャスなアーユルベーダ・トリートメントルームを見せてもらったときも、ピンと心に響くものがなかった。そんなとき、現地の方とお話していて「これだ!」と思う言葉に出会ったのだ。

 「アーユルベーダはエステのトリートメントではありません。ケララという風土、気候、食事、ライフスタイル、そのすべてを総合したものですから、マッサージなどの技術だけ外へ持っていっても本当の治療にはなりません。ここで過ごし、この土地の食べ物を食べ、アーユルベーダの医師から適切な診断を受け、その上でトリートメントを受けることに意味があるのですから・・・」。


施設選びのポイントは「本物だけどマニアックじゃない」

 さて、本格的なアーユルベーダの施術は、最低でも2週間。できれば数ヶ月かけてゆっくり行なうのが原則のようだ。アーユルベーダは5000年以上の歴史のあるインドの伝統的医療体系。病気を治療することよりも、それぞれの人間の持つ体質を見極め、生命の営みがバランスよく行なわれるように調整していくという、とても合理的な発想の予防医学なのだ。

 私の希望は、「本格的なアーユルベーダの医師の診断と施術が受けられること」と「妙にマニアックな雰囲気ではないところ」の2点。現地の日系旅行社に、この条件にぴったりということで紹介されたのが「ソマティーラム」だ。

 このリゾートは、ケララ州の州都トリバンドラムから北へ約20キロ。チョワラという海辺の村にある。本格的なアーユルベーダの病院と高級リゾートホテルとを合体させた、この種のホテルの草分けだ。客室は一つ一つ独立した家屋になっており、緑濃い広々とした敷地に点在している。200年前のケララ周辺の農村を再現したのだそうで、敷地内をゆっくり歩くだけで心が落ち着いてくる。「風土、環境もアーユルベーダ」というのはまさにこのことだろう。


スタートは分厚い問診票

 アーユルベーダでは、それぞれの人の体質(ドーシャ)を判断するのが重要。最初の施術を受ける前に、分厚い問診票が手渡された。質問は食べ物の好みから、両親、祖父母の健康、ものごとの考え方まで多岐にわたる。そこでの情報を基に、さらに詳しい問診と、関節を動かしたり、血圧を測ったりなどの触診もされる。今、自分が抱えている健康上の不安などを医師とリラックスした雰囲気で話しあえたのが、普通の病院と大きく違うところだった。ソマティーラムでは日本語の問診票が用意されており、英語と対訳になっているので、医師は答えの欄を見れば意味が通じるというわけだ。

 問診、触診が終わると、いよいよ最初のトリートメントがはじまる。私は2週間の浄化治療(パンチャカルマ)のコースを受けることになった。さまざまなトリートメントを組みあわせ、体の内外から浄化し、体質のバランスを調整していこうというもの。初日は、まず体全体をほぐすマッサージから。

 トリートメント室の屋根はココナツの葉で葺いてあり、天井が高く、優しい風がいつも吹き抜けていく天然のエアコン構造。素朴な雰囲気でリラックスできる。しかし、いきなり「はい、着ているものを全部脱いで」といわれたのには、ちょっとショック。紙製の下着を貸してくれるが、事前の説明があるとさらに印象が変わるだろう。

 マッサージには温めたトロリとした油がたっぷり使われる。マッサージオイルはごま油をベースにしたもので、体質や治療の目的によってさまざまなハーブが溶け込んでいるそうだ。


細かいトリートメントプランと食事プラン

 いったんトリートメントがはじまると、時間は穏やかに流れていくのに、なぜか一日過ぎるのが早く感じる。朝は30分のメディテーションのクラスからスタート。それが終わると朝食で、アーユルベーダではベジタリアン食が基本だ。レストランはバイキング形式になっていて、それぞれの料理にどの体質向けのものかが表示されている。ケララ州の伝統料理の主食はお米。味付けにはハーブがたくさん使われているが、辛さはそれほどでもない。生姜を使ったものも多いので、日本人の口にもあいそうだ。最初の問診を基本に細かな食事療法の指示が出される。私ははじめの数日、ついついカニの入ったスープや卵などを食べてしまったが、3日目からは我慢したわけでもなく、自然に完全菜食にしか手が出なくなった。

 毎朝11時からはヨガのクラス。ホテルの料金には、トリートメント(その期間中に飲む薬や湿布などを含む)、食事、ヨガ、メディテーション、半日観光がパッケージになったものが用意されている。ヨガやメディテーションのクラスへの参加は自由で、海風を感じ、鳥の声や波の音とともに体を動かすのはとても心地良く、「ライフスタイル全体の調整がアーユルベーダ」なのだと、素直に納得できた。

 さて、毎日の施術は短い問診と血圧測定などを含めて、たっぷり2時間以上。私の場合、効果を実感したのは3日目から。いきなり血圧の数値が上は30、下は10も下がったのだ。そろそろ高血圧の薬を飲まなければならないと医者にいわれていただけにうれしい驚きだった。

 治療が終わったら、ハンモックに寝そべって夕日が沈むのをぼんやり眺めてから夕食。ディナーの間はシタールの演奏やダンスなどのミニコンサートが行なわれ、ゆっくり食事を楽しんでいるうちに・・・眠くなってくる。レースの蚊帳のついたベッドの中で、少し本を読んだだけで、頑固な不眠症の私が眠りの中へ・・・。絶えず聞こえてくる波の音が子守唄になってくれているのかも・・・というように、気がつけば1日が過ぎていった。この不思議な時間の流れ方もアーユルベーダ効果なのだろうか。


いよいよ体内浄化へ

 さて、2日目からは額に温めた油を垂らすシロダーラをはじめ、頭に筒状のものを巻き、その中に温めた油をそそぐシロバスティー、鼻からメディカルオイルを少しずつ点鼻していくナスヤなど、体の隅々に蓄積された毒素を排泄しやすい状態にしていくトリートメントがはじまる。私にとって一番心地良かったのは、2人のセラピストが布に浸したオイルを私の体の両側からリズミカルに垂らしていく「ピリチル」というケララ周辺独特のトリートメント。関節などのところでは少し長い時間かけて垂らし、体が徐々に温まってくる。終了後1時間以上たってから、急に汗がどっと出たのには少し驚いた。

 浄化治療のハイライトは、腸の浄化。まずは食事の量を減らして、下剤を飲む。この下剤は急激に効くのではなく、多くの人は翌朝になって排泄があるという程度の緩やかさ。浣腸もあるが、これも効き目は比較的穏やかで、私の場合はそれほど極端なことはなく、普段よりトイレに行く回数が多かっただけ。でも、確かにお腹がすっきりし、下腹部のポッコリした感じが半減した。体内浄化が終わると、数日かけてゆっくり回復期を過ごす。薄いお粥からはじめる回復食がとてもおいしく感じられたのが印象的。味覚も浄化されたのかもしれない。

 そして14日目。いよいよ最後のトリートメントを終え、再び医師との長い問診で終了。体重は4キロ減。体全体からむくみが消え、血圧も110−80。心も穏やかで気分が楽になっている。私の症状にあわせ、長期的な健康プランを詳しく書いた書類が用意されていた。医師との最終面談は最初の問診以上に重要なので、多くの人にとっては通訳の手助けが必要だろう。



「癒しのツーリズム」の可能性

 アーユルベーダは単なる治療や施術ではなく、人が健やかに生きるためのバランスの取れたライフスタイルを体感していくものだった。本物のアーユルベーダが南インドの風土や食事と切り離せないものである以上、ケララ州への旅をヒーリングやウェルネス、またアンチエイジングなどと結び付けたツアーの企画は、大きな可能性があるだろう。

 本格的なトリートメントを受けるには問診票をはじめ、言葉の問題がポイント。初日のマッサージの時のように、事前の説明があるかないかで印象がかなり違ってしまうこともあり得るだろう。また、同じアーユルベーダ・リゾートといっても、施設の内容や雰囲気には大きな違いがある。南インドへの知識の深い現地エージェントからの手助けや情報収集もツアー企画の大きな鍵になりそうだ。








取材協力:ソマティーラム・アーユルベーダ・リゾートマサラ・ツアーズ
取材:宮田麻未、写真撮影:神尾明朗
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