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JTB−CWT、内外航空を子会社化へ−業務渡航シェア15%に、選択と集中を加速

  • 2010年11月29日
 JTBビジネストラベルソリューションズ(JTB−CWT)は、内外航空サービス(内外航空)の全株式を譲受する株式売買契約を、伊藤忠商事および伊藤忠ロジスティクスと締結した。ジェイティービーによると、ビジネストラベル市場でJTB−CWTは第1位で約630億円。内外航空は第5位で、今期売上約139億円見込みのうち、業務渡航分野は約130億円。ビジネストラベル市場全体の規模を5000億円と推計すると、内外航空の子会社化でシェアを約15%に伸ばす見込みだ。

 ジェイティービー常務取締役経営企画担当の志賀典人氏は2010年度中間期決算の発表の場で、「マーケットシェアの拡大と仕入力増強により事業基盤を拡充し、スケールメリットをとる」と株式譲受の目的を説明。「4年前のニッテツトラベルを子会社化したのと同じ手法」といい、JTBと顧客がほぼ重ならない伊藤忠関連の出張需要を獲得するねらいだ。ゼロコミッション化や企業の経費削減で厳しい環境化にあるなか、今後も「インハウスに近い企業を譲り受け、新しいマーケットを取り込む。今後もこの方針は継続する」と明言した。

 株式譲受は2011年1月17日に完了する予定。その前に、内外航空は団体旅行の一部や地球の歩き方T&Eとのアライアンス事業などを他社に譲渡し、業務渡航事業のみとしたうえでJTB−CWTが全株式を譲受する。JTB子会社化後も、当面は内外航空サービスの商号は継続して使用。役員はJTB−CWTから派遣するが、現場の業務は継続する。ただし、業務渡航分野に集中するため、少々の要員縮小と営業所も一部の廃止を予定する。


▽新中計の「選択と集中」を加速、カーゴ事業は売却

 JTBでは2011年度からの新中期経営計画「JTB New Departure 2011」で事業の「選択と集中」を加速し、経営資源を事業ドメインである交流文化産業に集中する。内外航空の子会社化はその一環だが、一方でジェイティービーカーゴを三井倉庫に47億円で売却。これについて志賀氏は「カーゴ事業の業績は黒字。ただし、今後発展させるにはアジアへの展開が必要であり、異業種に継続して投資していくのは難しい」と説明。また、「旅行業や旅行周辺事業と関連のある事業はリリースするつもりはない。交流文化事業を発展させていくためのものに経営資源を集中させたい」との方針を語った。

 また、今後のM&Aの対象について「M&Aはタイミングとビジネスモデル。今後もチャンスがあると期待している」としながらも、「必ずしもスケールメリットだけではない。同じビジネスモデルの企業では重くなるだけなので、クオリティがあってビジネスモデルが異なる対象があれば検討したい」と方向性を語った。


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