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米運輸省、日米ATIを正式認可−代理店契約一本化など共同事業の準備開始

  • 2010年11月12日
 米国運輸省(DOT)は現地時間11月10日、太平洋路線の独占禁止法適用除外(ATI)を正式に認可した。10月6日に仮認可が下りていたもので、ワンワールドの日本航空(JL)とアメリカン航空(AA)、スターアライアンスの全日空(NH)、ユナイテッド航空(UA)、コンチネンタル航空(CO)が発表した。各社は今回の正式認可を受けて、それぞれのアライアンス内で太平洋路線における共同事業開始に向けて準備を進めることとなる。

 共同事業は、収益のプールを前提として路線ネットワークや商品、運賃、サービスなどを最適化するほか、事業運営や販売の体制でも提携を強化し、効率化とコスト削減をすすめる。例えば、提携する2社が同じデスティネーションに出発時間の近い便を設定しているような場合、朝夕に分けるような対応が可能になる。今回の正式認可では、こうした各項目の具体的な方策についての協議を開始できるようになったことから、JL社長の大西賢氏やNH代表取締役社長の伊東信一郎氏らは歓迎のコメントを発表し、サービスや利便性の向上を誓った。

 取材に応じた米系航空会社では、2011年夏ダイヤに向けて運航スケジュールの調整や公示運賃の設定に取りかかりたい考えを説明。また、旅行会社との間では、契約の一本化や営業スタッフの統一もめざす。運賃の調整が先決問題であるものの、11日にはすでに契約する旅行会社に対して、提携航空会社間で契約内容や販売実績の情報を共有することに理解を求める書面を送っている。

 契約の一本化については、夏ダイヤ開始までの時間が限られているため、どの程度の旅行会社と夏ダイヤから一本化が実現できるかは不透明という。特にIT運賃は商品造成のスケジュールもあり、交渉に残された時間は少ない。また、既存契約の内容によっては、旅行会社側が変更を嫌う可能性もある。ただし、一本化を急ぐ姿勢は各社に共通しており、契約更改などの機会に、一本化や提携航空会社の販売を盛り込んだ内容の契約を提案していくことになりそうだ。


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