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スペイン、日本人旅行者100万人めざす−アジア初のピーアールキャンペ実施

  • 2010年10月8日
 スペイン政府観光局はこのほど、旅行業界関係者向けに懇談会を開催した。懇談会では、来日したスペイン産業観光商務省観光長官のホアン・メスキダ氏が「今後5年のうちに年間100万人を送客することが目標」と日本市場の拡大に意欲をみせた。

 スペインへの旅行者数は全体で5200万人だが、日本人旅行者数は23、4万人で推移しており、メスキダ氏は「満足していない」との考えだ。今後は観光ブランドとしてのスペインの認知度向上と日本を含むアジアからの誘客促進のため、アジア市場でピーアールキャンペーンを初めて実施する。新しいキャッチフレーズ「I need Spain」のもと、3年から4年かけて実施していく予定で、メスキダ氏は「まずはアジア全体でキャンペーンを構築し、第2段階として日本を含む個別の対応をする」と方針を述べた。その上で、日本人向けに「よりニーズがあると思われる側面をピーアールしていきたい」考えだ。

 キャンペーンではスペインを代表する映画監督、フリオ・メデム氏がスペインの主な魅力である「太陽とビーチ」、文化遺産、都市観光、ショッピング、料理を組み込んだ映像を制作。CM放映や、パートナーシップを締結した旅行会社と合同キャンペーンを展開する。合同キャンペーンでは、販売するデスティネーションにあわせた映像を提供し、クレジットに旅行会社名、「I Need Spain」のロゴ、販売する商品名を入れる。

 なお、2009年のスペインへの日本人訪問者数は22万8000人。2010年1月から8月では23万6000人と昨年の人数を超えた。メスキダ氏によると、経済状況の好転や円高の影響、燃油税の低下によりコストが安定してきたことから、2010年は前年比15%から20%増に着地する見込みだ。