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ANAセ、10年度訪日旅行取扱高40%増の15億円めざす−システム更新も

  • 2010年7月2日
 ANAセールスは2010年度、訪日旅行で前年比40%増となる15億円の取扱高をめざす。同社では、2009年7月1日に中国個人観光ビザが解禁されたことを受け、訪日旅行事業に注力する方針を示していたものの、新型インフルエンザの影響や景気後退などの影響で需要が低迷。しかし、下期は春節や北海道へのスキー旅行の人気が高まり、人数ベースでは前年比30%増と推移していた。今後は、国内旅行予約システム「adam」の他言語化などにも着手し、訪日旅行需要の取り込みを強化する。

 システム更新は2年間のうちに取り組む予定で、個人旅行向け商品「ANAスカイホリデー」などを販売する「adam」を中国語や英語、韓国語など多言語への対応を計画中だ。これまで、海外の旅行会社とは電話やファックス、メールなどでやりとりしていたため、システム構築により利便性が向上する。また、個人旅行向けパッケージ商品に対応したシステムであることから、ニーズにあわせた訪日旅行商品の販売拡大が見込める。

 現在の訪日旅行向け商品では、40%が香港、35%が台湾、中国は20%、韓国とシンガポールは5%未満。今後は、特に中国で個人観光ビザ発行要件の緩和で需要拡大が期待されるため、高級旅館に宿泊する北海道や北陸のコースを拡充し取り込みをはかる。また、FIT向けに11コース、団体型向けに14コースの計25コースを設定。飛行機とホテルを自由に組み合わせられる「私らしく」も活用し、ニーズにあわせた自由度の高い旅行にも対応する。

 このほか、上海の団体ビザ発給シェアが2009年度は40%を占めており、現在も増加傾向にあることから、今後の需要の高まりに期待を示す。また、羽田/香港線では羽田到着時刻が早朝であるため、乗り継ぎ便で北海道へ行く商品を提案するなど、日本滞在時間が長いことをアピールしていく。さらに今後は、北京にANAセールス訪日旅行部のマーケティング機能を設け、全日空(NH)支店やANAセールス現地法人と連携することで、旅行商品の企画を強化する方針だ。


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