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ミシュラン観光ガイドブックで見る日本(ジャポン)3−「美術館・博物館」

  • 2008年12月3日
 ロンドンの大英博物館、パリのルーブル美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館など、観光の目玉となっている各都市の博物館、美術館は枚挙に暇がない。日本各地の博物館、美術館にも、ミシュランの星が付いたところがいくつもあるが、最高ランクは意外なセレクションとなっている。

 3ツ星がついた美術館、博物館は、京都国立博物館、九州国立博物館(福岡県)、飛騨高山美術館(岐阜県)、ミホミュージアム(滋賀県)の4つ。国立だけあって、その展示内容と規模で京都と九州の博物館が選ばれているのは不思議ではないが、あとの2つは、全国的にはそれほど知られてはいない私立美術館。展示内容だけでなく、建物のデザインや学芸員をはじめとするスタッフのサービスを含め、総合評価がミシュランのお眼鏡にかなったようだ。


飛騨高山美術館 http://www.htm-museum.co.jp/
 白川郷の合掌造りの家屋が世界遺産に登録されている飛騨高山は、エリアとして3ツ星に選ばれており、さらにこの美術館は単独で3ツ星に選ばれている。フランスを代表するアール・ヌーボーのガラス工芸家エミール・ガレの作品をはじめとする、アール・ヌーボー、アール・デコのガラス工芸品の展示が中心。ミシュラン観光ガイドブックの記述を見ると「美しく装飾された宝石箱の中に宝石が入っているかのようだ」とある。

 美術館の関係者によれば、ミシュラン掲載後、海外からの来館者が増えただけでなく、国内からの取材が急増しているとのこと。国内的には低かった知名度が、ミシュランによって引き上げられたことがよくわかる。この美術館は常設、企画展示にとどまらず、コンサートなど各種イベントを開催したり、カフェやレストラン、ショップにも力を入れたり、総合文化施設として高い評価を受けている。
 






 
ミホミュージアム  http://www.miho.or.jp/
 焼き物で知られる滋賀県信楽町にある美術館で、2000点を超える収蔵品は、私立の美術館としては日本最大級。コレクションは、ギリシャ、ローマ、エジプト、中近東、中国、日本の古代美術が中心。幅広いエリアと時代のコレクションで、常設展だけでなく、企画展も開催される。この美術館の高い評価は、建物のデザインによるものも大きい。設計を担当した建築家はルーブル美術館のガラスのピラミッドを手掛けたイオン・ミン・ペイ。周囲の自然環境を守る目的で建物の約80%が地中に埋設されている。ミシュランの観光ガイドブックも「展示作品よりも、周辺の自然と同化するように設計された美術館の建物と周囲の連なる山々をはじめとする自然景観」に対する評価が高かった。








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