ビザまめ知識(3)−ビザ申請却下の事例と注意(その1)

  • 2007年12月20日(木)
 近年、米国ビザ発給数が大幅に減少している理由は、9.11テロ事件以降から厳しくなった審査のため、ビザ取得が困難になってしまったということにある。そこで今回から2回にわたり、ビザ発給の審査がどれくらい厳しくなったのかを、各種ビザの申請却下事例を挙げながら説明していく。これらの例では、事前にビザについての知識や傾向を知っていれば未然に防げたケースが、多々ある。
<文:チャールズ・W・プレイ弁護士(アルビスジャパン主任弁護士)>
                                                                          
次回までに紹介する申請却下事例の対象

・B-1ビザ(出張ビザ)
・H-1bビザ(就労ビザ)
・J-1ビザ(研修ビザ)
・E-2ビザ(投資家ビザ)
・L-1Aビ (駐在ビザ)


B-1ビザ(出張ビザ)のケース

 Bビザの特徴は、移民局があまり発給したがらないビザであるということだ。通常、日本国籍者であればビザなしの範囲で行けるところを、あえてBビザを申請するためには、それなりの明確な理由が必要となる。

事例(1):
 ある日本企業は、米国取引先との契約で現地でのサービス業務を要望されたため、米国大使館にてB1ビザを申請した。しかし、ビザ発給後はそのまま米国に留まり続ける恐れがある(214b)と判断されたため、申請を却下された。

解説(1):
 本来、事前に米国の取引先と契約を交わしており、その契約の範囲内(就労行為を除く)であればB1ビザの取得は可能であったはず。しかし、申請を却下された理由は、B1ビザの申請目的というより、申請者自身が以前からビザなしで渡米を繰り返し、180日以上にわたって米国に滞在していたという事実が原因であった。そのため、米国内での就労の疑いが掛けられたのだ。ビザ申請者としては、実際に90日の滞在を2回繰り返すことができてしまったため、ビザなしで90日の滞在を繰り返すことは規定範囲内として大丈夫なものだと思ってしまい、ビザ申請も簡単だと思ってしまったことが問題になってしまった。


事例(2):
 米国に法人設立を検討しており、現地の下見調査のためB-1ビザを申請した。しかし、現地弁護士をつけたにもかかわらず却下された。

解説(2):
 当該のビザ申請者は、学校を卒業して企業に入社したばかりの新入社員であった。経験の浅い新入社員が将来、現地で重役としての業務を遂行するために下見調査をさせるという申請理由そのものが不自然であり、この社員でなければならない確固たる理由が不十分であった。また、ビザ申請時に提出した会社のサポートレターは、就労ビザの申請であるかのように複数枚にのぼっており、その内容も調査というよりは就労に近いものであった。

 この企業は、現地の弁護士を雇ったにもかかわらず、申請を却下されたことに非常にショックを受けていた。ここで言えることは、同じ移民弁護士であっても得意不得意の分野があるということである。とくに米国内にいる移民弁護士は、海外の大使館・領事館の傾向をよく理解していないケースが多い。


H-1bビザ(就労ビザ)のケース

事例:
 ビザ申請者は、学生ビザに引き続きH-1bビザへ変更、さらに更新のため日本へ戻り、移民弁護士をつけて申請をしたが却下された。

解説:
 却下の理由は、申請内容とビザ申請者の言っていることに相違が見られたためである。ビザ申請者が過去にH-1bビザを申請した時は問題なく簡単に発給されたため、今回も簡単に取れるものと思ってしまい、申請書類にきちんと目を通していなかったばかりか、自分がどのような仕事に就くのかも理解できていなかったのである。

 Hビザ申請の場合は、最初に移民局での請願申請がある。請願認可後に、海外の大使館・領事館でビザ申請を行うが、米国の移民弁護士は米国内移民局での手続きまではおこなうが、その後の海外の大使館・領事ポストでのビザ申請までサポートすることはほとんどない。移民局の請願は主に米国雇用主側の内容だが、テロ事件以降のビザ申請では面接が必須となったことで、(大使館の申請は)申請者の適性審査が重要視されるようになった。

 しかし、米国の移民弁護士は、請願の認可がおりればビザ申請は簡単であると考える傾向にあり、そのため申請者自身も同じような視点でとらえてしまうため、ビザ申請時に十分なアドバイスを弁護士から得ることができなかったという点が、申請却下の大きな原因となっている。

 
J-1ビザ(研修ビザ)のケース

事例:
 アメリカ留学から戻った直後、Jビザインターンシップを申請したが、却下された。OPT(学位をとった人は1年間トレーニング)終了後のインターンシップであったため、それ以上のトレーニングは必要ないと判断されたのが理由であった。

解説:
 このビザ申請者としてはOPTだけでは物足りないと感じて、さらにインターンシップをと考えたわけであるが、「米国に引き続き滞在したい」「就労したくても就労ビザが取れないから、とりあえずインターンシップでも」などの理由からJビザ申請をする者が多く、長期滞在や就労するための手段として誤解されていることが却下の原因となっている。このほか、すでに日本の企業の中で、十分なマーケティング経験を積んでおきながら、さらにトレーニングのため米国へ行こうとする場合も、ビザ申請が却下される場合がある。もちろん企業における新入社員への確固とした研修制度が目的となっている場合は問題ないが、個人でのインターンシップ参加は前述のように却下されることがある。

 Jビザを発給する際は、受け入れ先からDS-2019という米国政府認可プログラムであるという証明の発行が事前に必要になるが、これさえ発行されれば容易にビザが取得できると勘違いしている人が多い。DS-2019プログラム自体は米国政府が認可したものであっても、申請者がそのプログラムに参加するべき適性を備えていかどうかが、ビザ審査での重要な判断基準になるのである。


執筆:
チャールズ・W・プレイ弁護士
(アルビスジャパン主任弁護士)

経歴:
前カナダ外交官
カナダ弁護士会会長(1997〜1998年)
CIPC議長

前カナダ外交官。現在は移民法専門事務所のアルビスジャパ
ン主任弁護士として、多くの日本人のビザや永住権などの取
得サポート。米国移民弁護士協会(AILA)、やカナダ弁護士
協会(CBA)や国際弁護士協会に所属し、専門家、企業や法人
に対し米国、カナダ両国の移民に関する法的サービスを行う
国際移民弁護士。 現在、移民問題に関する記事を執筆し、移
民政策に関してカナダの上級政府官僚に定期的にアドバイス
している。



▽ビザまめ知識 シリーズ
ビザまめ知識(1)−9.11テロ事件以降、米国ビザに生じた変化(2007/11/22)
ビザまめ知識(2)−米国ビザ発給数の推移(2007/12/06)

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