「銀行はこう使え!」-メガバンク元営業担当が本気のアドバイス

第1回:世にも奇妙な銀行員の実態

  • 2020年9月9日(水)

モチベーション低く、流れに翻弄

 さて、そんな銀行員ですが、働くモチベーションについても大多数が「不思議」です 。例えば入社動機でよく聞くのが「やりたいことがないから」で(実は私もそうでした)、そして新入社員時代は「いつか辞めてやる」と愚痴をこぼしながら働きます。

 それでも30歳頃になると世間一般以上の給料を手にすることができ、結婚し家庭ができる人も多くいます。しかし、仕事面では自らの手に職が無いことを実感してしまうもので、かといって現在の待遇に見合う転職先も見つかりません。そして、確信はないけれどもやりがいのように思えたものにすがりながら50歳頃の出向を待つのです。

 私は複数の支店・本部を経験し、さらに人事異動もほぼ毎月のようにありましたので非常に多くの銀行員を見てきましたが、振り返ってみて尊敬する先輩はもちろんいるものの、「こうなりたい」と思う先輩に出会ったことはほとんどありません。

 私が転職を決めた理由の一つは「銀行勤務を自分の子供に勧めるられるか」という自問で、答えは最終的に「No」でした。

「点取りゲーム」に右往左往

 銀行の奇妙な慣習に、「点取りゲーム」というものがあります。銀行担当がついている企業の方は、必ずと言っていいほど口座開設や1000円程度の積立などをお願いされた経験があるのではないでしょうか。それこそが「ゲーム」の一環なのです。

 他行がどうかは知りませんが少なくとも私が所属した銀行では、同行内の他支店と業績を競い合っており、1年中「点取りゲーム」をしています。点取りゲームは営業の成績を点数化するもので、財務諸表に直結する数字だけでなく、運用獲得件数や口座獲得件数のような細かいものにまで配点があります。

 しかも、その「ルールブック」は銀行の戦略に沿って1年に1回更新され、「去年まで10点の価値があった取引が今年から0点になる」ことも多々あります。それなのに1点の差で他の支店に負けてしまうことも十分にあり、期末が近付くにつれ顧客ニーズなど関係なく「取るまで帰ってくるな」という根性論が支店を支配します。

 このような内向きな争いに入社当時は違和感しかありませんでしたが、これが自分の評価にも直結するので本心は別として結局は数字作りに奔走したものです。

 銀行という組織にいると「銀行の考え方が世間の常識」という感覚に陥るものの、実際にはここまでご説明してきた通りズレていることが多々あります。しかしそれでも、こうした奇妙な世界も「銀行目線」に立てば一定程度は理屈が通っていて、何より銀行員にとっては内部での立ち回りを円滑にするために致し方ない面もあったということです。

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