週間ランキング、1位はANAのA380、「転職・異動」特集も

[総評] 今週の1位は、全日空(NH)のA380型機のフォトニュースでした。フォトニュースがトップというのは非常に珍しく、少し前にA380型機の製造が中止となった際にも書きましたが、やっぱり人間は(それとも日本人は?)大きな乗り物が大好きなのではないかと考えてしまいます。

 機内の様子については、百聞は一見にしかずでフォトニュースをご覧いただければと思いますが、印象的なのは多目的ルームでしょうか。おむつ交換や授乳にも使えるということで、ハワイ路線への意欲が表れているような気がします。また、機内販売の「ホヌ」のぬいぐるみも可愛らしいですね。子どもにせがまれた両親や祖父母がついつい旅の記念だしと買ってしまったりなんかして、結構な売上になるんじゃなかろうかと想像してしまいました。

 続いて2位に入ったのは、カクタス航空の業務を移管して「カクタス支店」を立ち上げたエムオーツーリストの記事でした。いわゆるBTMと日本的なインディビの業務という対比関係が、経費精算などのテクノロジーの急速な浸透によって、ここにきてにわかに変化の兆しを見せつつあるように思えますが、そうしたなかでの主要プレーヤーであるエムオーツーリストや日本旅行・グローバルビジネストラベル(GBT NTA)のお話しを続けてお伝えできたことは、我ながら時宜を得たものであったのではないかと考えています。

 今回は、他の話題との兼ね合いなどもあって取材から時間が経ってしまったのが反省点ですが、業界の皆様が興味を持たれるものをタイムリーに取り上げていく努力はこれからも継続してまいります。

 このほか、第3位は私が担当した新企画が入りました。簡単にいうと、「旅行の仕事をしてきた人物が畑違いの仕事をしはじめる」という状況に焦点を当てたもので、非旅行事業への異動や旅行業界外への転職をイメージしています。

 もともとは、ある旅行会社が発表した、旅行業とはかなり毛色の異なる事業についての資料を読んでいて、「ずっと旅行の仕事をしてきたのにいきなりこれをやれと言われたら、自分だったらどう感じるのだろう」と思ったのが出発点でした。前向きに飛び込めるのか、飛び込んだとしてそれまでの経験にどれほど自信を持てるのか、といった疑問は要するに転職を考える時の悩みとも同一なわけで、これはきっと多くの皆様にとっても関心事だろうと考えた次第です。

 「プロ」として顧客や会社から対価を得る、という構図は旅行業であろうとなかろうと社会人の基本といっていいと思いますが、そこでは「プロ」としてどこまで自負心を持てるかが極めて重要なポイントとなります。

 根拠のない自信だけ、というのも困りますが、「私なんかがすみません」といった風におどおどしても誰も喜びはしないわけです。その意味で新企画では、果たして旅行業での経験というものが客観的にどの程度の価値を持つのか、という疑問への答えも探り、旅行業界で働く皆様がより自信を持って業務にあたることができるようにしたいと考えています。

 個人的な思い入れからすればもっと上にランクインしてほしい願望もありましたが、旅行業と直接関係のない事業の話をここまでお読みいただけたのはむしろありがたいことと感じるべきでしょう。今後も旅行業を飛び出した方、業態を変えられた方、あるいは「出戻り」組など、様々なお立場の方にご登場いただきたいと思っておりますので、是非ご期待いただければ幸いです。(松本)

ランキングはこちら