9月は航空需要が鈍化、台風など影響も-IATA調査

  • 2018年11月7日

 国際航空運送協会(IATA)によると、2018年9月の国際線需要は前年比4.9%増となった。8月の5.6%増から伸びが鈍化傾向にあり、特にロードファクターが0.1ポイント減ながら前年割れしたのは4月以来のことだ。

 全方面合計の国際線実績は、座席供給量を表す有効座席キロ(ASK)は5.1%増であった一方、旅客需要を表す有償旅客キロ(RPK)は4.9%増に留まり、ロードファクターは0.1ポイント減の81.2%となった。

 方面別で見ると、アジア太平洋地域はASKが4.3%増、RPKが5.4%増となりロードファクターも0.9ポイント増の79.2%。いずれも前年を上回ってはいるものの、8月までの累計のRPK8.1%増、ASK7.1%増、ロードファクター0.8ポイント増・80.7%と比較すると低調。IATAでは、台風の影響を受けた関空の機能停止も一因と分析している。

 また、旅客需要の伸びが最も大きかった方面はラテンアメリカの7.0%増で、同方面は座席供給量も9.8%増となっている。一方、ロードファクターが最も高かったのは欧州の87.0%で、北米の80.8%、ラテンアメリカの80.3%が続いた。

 1月からの累計、および国内線の実績は下記の通り。

IATA 2018年9月 国際線需要動向

方面RPK
前年比
ASK
前年比
L/FL/F
前年比
アフリカ+6.0%+4.9%74.6%+0.8pt
アジア太平洋+5.4%+4.3%79.2%+0.9pt
欧州+5.2%+4.9%87.0%+0.2pt
ラテンアメリカ+7.0%+9.8%80.3%-2.1pt
中東+1.8%+5.3%72.3%-2.4pt
北米+5.0%+5.4%80.8%-0.3pt
合計+4.9%+5.1%81.2%-0.1pt

IATA 2018年1月~9月 国際線需要動向

方面RPK
前年比
ASK
前年比
L/FL/F
前年比
アフリカ+6.8%+4.4%71.9%+1.6pt
アジア太平洋+7.8%+6.8%80.6%+0.8pt
欧州+6.2%+5.2%85.6%+0.8pt
ラテンアメリカ+7.0%+7.5%81.9%-0.4pt
中東+4.8%+5.2%75.3%-0.3pt
北米+5.0%+3.8%83.2%+0.9pt
合計+6.4%+5.5%81.7%+0.6pt

IATA 2018年9月 国内線需要動向

方面RPK
前年比
ASK
前年比
L/FL/F
前年比
オーストラリア+0.9%-0.4%80.6%+1.1pt
ブラジル+3.5%+6.0%81.1%-2.0pt
中国+9.3%+10.3%83.6%-0.7pt
インド+19.8%+18.8%84.7%+0.7pt
日本-5.0%-3.7%75.1%-1.0pt
ロシア+11.1%+8.5%87.0%+2.0pt
米国+6.2%+8.6%80.7%-1.8pt
合計+6.5%+7.4%81.6%-0.6pt

IATA 2018年1月~9月 国内線需要動向

方面RPK
前年比
ASK
前年比
L/FL/F
前年比
オーストラリア+2.1%+0.3%79.1%+1.4pt
ブラジル+5.1%+5.4%80.8%-0.2pt
中国+12.7%+12.5%84.8%+0.1pt
インド+20.5%+17.3%87.2%+2.3pt
日本+1.7%+0.3%72.0%+1.0pt
ロシア+8.0%+5.5%83.6%+1.9pt
米国+5.3%+5.3%84.7%-0.1pt
合計+7.4%+6.7%83.4%+0.5pt