航空会社にお客様目線を 新日本ツーリスト・原隆一社長が語る関西空港閉鎖時の対応

  • 2018年10月22日(月)

 関西を直撃した台風21号で、旅行会社はどのように対応したのか―。今回は、かつてない高潮被害で浸水するなど空港が全面閉鎖されてしまった関西国際空港に焦点を当てる。新日本ツーリスト(大阪市平野区)の原隆一社長に聞いた。

 9月4日、台風が通過した16時から17時ごろ、ベトナムへ行っているツアー客から電話がかかってきた。

 「NHKのニュースを見ると関空が水浸しになっている。明日帰れるのか」。慌てて事務所のテレビをつけると、タンカーが連絡橋にぶつかっている映像が流れていた。その後は電話が鳴りっぱなしになった。

 当分、関空が使えないことを把握し、名古屋や羽田、福岡などの代替便を探すが、どこも満杯。手配上のルールで変更確認の電話を航空会社にかけるが、ほとんどつながらない。その間、客からの問い合わせの電話はとどまることがない。

 ようやく航空会社につながっても、会社によって対応が異なる。一番ひどかったのはT航空。出発便を関空から他空港へ変えてほしいとT航空から言われても、客は関空発だからツアーを予約している―その旨をT航空に伝えてもキャンセル料が必要だと言われる。客は納得しない。反面、CE航空は10月15日まで自由に変更していいとの返事をもらった。ありがたかった。

 原さんは「私どもでもこういう状況だった。弊社の10倍も20倍も仕事がある大手旅行会社やホールセラーは想像以上の対応に追われたのではないでしょうか」。

 台風で空港が閉鎖されるのは、通常は2、3時間か半日。長くても1日遅れで飛ぶというのが普通だ。今回のようにいつ使えるかわからないのは稀なことかもしれない。しかし、ツアー客にとって先の読めない状況ほど不安なことはない。

 今回のことで原さんが強く思ったのは、世界基準の統一ルールを決めてほしいということだ。空港が閉鎖された場合の対応を世界中の航空会社で基準を決める。世界的に異常気象が相次ぐ中、どこでも今回のようなことが起こり得る。「コンピューターにあらかじめ決めておいたコードを入力すると自由に変更が利くといったようなことはできないものでしょうか。これは旅行会社のためではなく、あくまでもお客様の目線に立って考えていただきたいという要望です」と原さん。

 そして、旅行業界を代表してJATAやANTAから航空会社へ問題提起や改善へ向けた意見書、提案書を出してほしいと思う。世界の航空、鉄道、ホテルなどで使われているコンピューター予約システムのアマデウスは、国際航空運送協会のメンバーでもあり航空会社に新世代出発制御システムを提供している。日本の旅行業団体から「アマデウスにぜひ働きかけてほしい」と、原さんは切に願う。


情報提供:トラベルニュース社

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