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てるみくらぶの前身企業が破産申請へ、負債総額は調査中

  • 2018年10月22日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、てるみくらぶの前身企業である、東京都渋谷区のアイ・トランスポートはこのほど、破産申請の準備に入った。負債総額は現在調査中。

 同社は1973年2月に設立し、資本金は6000万円。「テルミツアー」「さわやかツアー」などのブランドでハワイやグアムなどの旅行商品を販売し、1992年1月期は売上高約68億円をあげていた。しかし、その後はバブル崩壊の影響などで経営が悪化し、本社不動産の売却や社員のリストラなどを実施するも、金融機関からの借金返済に窮することになった。98年12月には同社から分社化する形でてるみくらぶを設立して海外旅行関連事業を移管。アイ・トランスポートは事業を縮小して休眠状態となっていた。

 てるみくらぶは2017年3月27日、親会社のてるみくらぶホールディングスと、てるみくらぶの兄弟会社で第1種旅行業者の自由自在は同30日、それぞれ東京地方裁判所に破産を申請し、破産開始決定を受けた。3社の負債額の合計は約214億円で、数万人の旅行者が被害を受け社会問題化し、11月には3社の代表取締役社長の山田千賀子氏が詐欺などの疑いで逮捕されている。

 こうした動きを受け、アイ・トランスポートは今年の5月16日に株主総会の決議により解散。その後の調査で債務超過であることが判明したため、破産手続きに移行することとなった。

 なお、10月17日開催の「てるみくらぶ第2回債権者集会」で破産管財人は、てるみくらぶの債権額は137億1469万円、預金解放や税金の還付などから財産目録の資産合計(評価額)は5億5840万円で、一般債権者への配当が見込まれることを説明。3回目の債権者集会は来年3月13日に開催する予定で、それまでに配当額が決まる予定という。