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ILTM Japan、今年はシンガポールに吸収-商談機会は増加


ILTMのロゴマーク
 ラグジュアリー・トラベル専門の商談会「ILTM(International Luxury Travel Market)」を主催するリードトラベルエキシビジョンズはこのほど、「ILTM Japan 2018」の日程と開催地を変更した。当初は2月に東京で催す予定だったが、5月21日から24日にかけてシンガポールで初開催する「ILTM Asia Pacific」で「ILTM APAC feat. ILTM Japan」と題した専用のパビリオンを設ける。また、従来は日本人の海外旅行と外国人の訪日旅行の両方を対象としていたが、訪日富裕層市場の成長を受けて、今回は訪日旅行に限定する。

 「ILTM Japan」は2013年以降、毎年2月または3月に開催。1回目から3回目までは京都、4回目と5回目は東京で実施していた。事務局によれば、セラー・バイヤーともに年々増加していたが「セラーがより多くのバイヤーと商談できる機会を提供したい」との考えから、より規模が大きい「ILTM Asia Pacific」での開催を決定。日本からのバイヤーにとっても商談の機会は大きく増える見込みで、「セラーとバイヤーの双方にとって、商談対象の選択肢は10倍以上に増える」という。

 「ILTM Asia Pacific」はその名の通り、アジア太平洋地域の富裕層旅行を対象にした商談会で、07年から17年までは「ILTM Asia」として上海で開催。18年は中国人富裕層の海外旅行に特化した上海での「ILTM China」と「ILTM Asia Pacific」の2つに分割する。

 「ILTM Asia Pacific」の会場はマリーナ・ベイ・サンズで、セラー・バイヤーが約600社ずつ、メディアが約200社参加する予定。セラーの比率は現時点では非公開だが、バイヤーはオーストラリアが21%、欧米が18%、東南アジアが11%、日本が6%などとなる見通し。なお、昨年の「ILTM JAPAN」にはセラー82社・バイヤー86社が参加し、内訳はセラーが海外旅行31社・訪日旅行51社、バイヤーが海外旅行42社・訪日旅行46社だった。

 今回も訪日旅行を扱う地方自治体などのセラーと、日本人の海外旅行を扱う旅行会社などのバイヤーのを募集しており、すでにそれぞれ約40社の申込みがあったという。セラーは3月2日まで募集中で、バイヤーは主に「ILTM Asia」への参加経験がある会社を招待。新たに参加を希望するバイヤーについては検討の上で決定する方針。

 商談会については事前にマッチングをおこない、1件の所要時間は約15分とする。訪日パビリオンでの商談数は、東京開催時の実績と比べて7件増の45件に上る予定。セラーには事前に、日本への送客実績のあるバイヤー約100社のリストを提供する。

 なお、ILTM Japanには16年から日本政府観光局(JNTO)が参加。18年は「協賛パートナー」としての出展を予定していたが、開催時期が予定よりも送れたことなどから出展については再検討中で、4月以降に決定する予定。開催地の変更については「主催者が決定したことであり、やむを得ない」と語った。