週間ランキング、1位はエールフランスの787、澤田氏の後任関連も

[総評] 今週の1位は、エールフランス航空(AF)が関空/パリ線にB787-9型機を投入する計画であることをお伝えした記事でした。定期的に当欄をお読みいただいていればお分かりの通り、関空関連へのアクセスの集中はますます顕著となっており、もはや「また関空か」という状況です。アクセスを解析すると、メールニュースからの流入では他の記事と目立った差はなく、それ以外の経路から来ていただいていると思われます。

 これまで当欄のランキングは経路は関係なしに純粋なアクセス数の多寡で順位を決めていましたが、それがために例えばGoogleニュースなりで取り上げられると一般消費者の方も読まれてあっという間に上位になるというケースが多々ありました。

 もちろんそうした業界外の興味や関心にも意義はあるものの、旅行業界誌であるトラベルビジョンにとっては、業種や職種を明かしてメールニュースを日々受け取ってくださっている6万1000人超の皆様が最も重要かつコアな読者といえます。こうした考えのもと来年以降の当欄では、当サイト右カラムのランキングとは別のアルゴリズムで集計し、より読者の皆様の興味を反映した週間ランキングをお届けしていくことをここにご報告します。

 さて、ということで2位以下に目を転じたいと思いますが、2位に入ったのはエイチ・アイ・エス(HIS)代表取締役会長兼社長(CEO)の澤田秀雄氏が登場する記事でした。具体的には、ハウステンボスの経営について「若手に任せていきたい」とのお考えを示されているものです。

 個人的には、HISの経営に戻ってこられた経緯などを考えると「本当ですか?」というのが率直な感想です。澤田氏にお会いしたことは数えるほどしかありませんが、印象としては尽きることのないバイタリティや好奇心、そして「経営欲」が澤田氏を形づくっているように思われ、そのうちまた「虫がさわぐ」というか「うずうず」してきてしまうのではないかと思ってしまいます。

 澤田氏は、と書きましたが、創業社長になることを選ぶ時点でそうした性質を持っている可能性があり、一定の割合で同じような悩み(と捉えていらっしゃるかは別として)をお持ちなのではないかとも感じます。昨年の孫正義氏による「欲が出てきた」発言もまさにそれでしょう。

 孫氏の発言を思い出して調べてみると、世の中便利なものでその時の株主総会の様子を書き起こしているサイトがありました(リンク)。このなかでは、後継者問題について株主から「(孫氏の後継者は)人類のなかではいない」、「(後継者は)ロボットである可能性がもっとも高いと今日高らかに宣言していただきますと、株価が上がるんじゃないか」という面白い質問が記録されていますが、冗談を抜きにして実は個人的に澤田氏に対して同じことを思っていたところで驚いています。

 変なホテルで培った技術によって「澤田社長ロボ」が完成しHISの成功は盤石なものとなる…というとまるで三文小説のようですが、逆に澤田氏がいつどのようにして退くのか、そしてその後は誰がどうやって舵を取るのかが社内外に浸透しない限り、このような与太話を完全には笑い飛ばせない、喉に刺さった骨のような状況がずっと続いていくことになるはずです。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2017年12月01日0時~12月08日15時)
第1位
エールフランス、関空/パリ線にB787-9、18年5月から(17/12/06)

第2位
澤田氏、ハウステンボス経営「若手に任せたい」、HISに注力(17/12/04)

第3位
JAL、夏ダイヤでリゾート強化、NRT/GUMとKIX/HNL線を倍増(17/12/03)

第4位
フィジー・エア、9年ぶりに成田/ナンディ線再開、18年7月から週3便(17/12/06)

第5位
関西エアポート、18年中間期は増収増益-来年度は総旅客数5000万人へ(17/12/07)

第6位
LCCトラベルが事業停止、ANTAが弁済認証受付開始(17/12/04)

第7位
インタビュー:アメリカン航空APAC副社長と日本担当ディレクター(17/12/06)

第8位
JTB年末年始、旅行者数は2年ぶりに増加、海外・国内とも前年超え(17/12/05)

第9位
タイLCC2社、新たな日本路線に意欲-ICAOの懸念解除で(17/12/03)

第10位
グアム、就航50周年で最大規模FAM、「最重要市場」に投資継続(17/12/02)