JATA、アバンティ対応で専用ページ公開、旅行会社が対応開始

  • 2017年10月16日

 日本旅行業協会(JATA)はこのほど、10月11日に営業を停止した会員企業のアバンティリゾートクラブについて、公式サイト上に同社と取引した消費者に向けて、専用の案内ページを公開した。ページでは同社が企画・実施するツアーの場合は弁償業務の対象になるため認証を申し込むよう案内するとともに、同社を通じて他社のツアーを申し込んだ場合は、そのツアーを企画・実施する会社に問い合わせるよう説明。加えて、JATAへの問い合わせ内容などに基づき、「お取扱いが多いと思われる企画旅行会社の連絡先」として、ANAセールスとびゅうトラベルサービスの2社を挙げ、連絡先を案内した。

 JATAによれば、アバンティリゾートクラブから主催旅行会社にツアー代金が支払われていない場合でも、主催会社はツアーを実施する義務があるという。同協会では公式サイトで11日から弁済業務保証金制度の案内を開始しており、限度額は7000万円。問い合わせ件数や弁済業務保証制度の認証申込数は、16日午後時点では集計途中であるため不明としている。

 ANAセールスによれば、ツアーや航空券をアバンティリゾートクラブ経由で販売していたといい、消費者からの問い合わせはあるが、詳細な人数などは非公表。旅行代金を全額支払った人にはツアーの催行を保証しており、支払いが残っている場合は残金を収受し、未払いの場合は全額を収受した上でツアーを実施するという。びゅうトラベルサービスは、同社の東北営業センターがアバンティリゾートクラブと取引を実施しており、ANAセールスと同様の対応を取る方針。影響する人数などについては非公表だが、消費者からの問い合わせはこれまで10件程度と「さほど来ていない」とした。

 このほか、KNT-CTホールディングスも本誌の取材に答え、影響は「少なくはない」とコメント。「お客様が被害に合わないよう、ツアーを申し込んだ人には出かけてもらえるようにしている」と語った。

 アバンティリゾートクラブは1997年10月に設立した第1種旅行業者で、資本金は7200万円。「ARCツアー」のブランド名でパッケージツアーを販売していたほか、旅行会社19社のツアーの代売も実施していた。東京商工リサーチ(TSR)によれば、年間売上高は約18億円だった時期もあったが、旅行者のウェブサイト経由での予約の増加などにより、2016年9月期の売上高は15億円まで減少。負債額は同期決算時点で約2億5000万円だった。