ソラシド新社長、19年度の国際線開設に意欲、機材導入へ

  • 2017年7月24日

高橋氏  ソラシドエア(6J)は7月24日、都内で2年ぶりのメディア向け懇親会を開催した。このほど社長に就任した高橋宏輔氏は、冒頭の挨拶で2017年から20年までの中期経営計画において、19年度内に国際線の定期便の開設をめざしていることを強調。「訪日外国人が増え、地方自治体も海外に目を向けているので(15年度から)国際チャーター便の運航を始めた。毎年経験を積み、いずれは定期便化したい」と話した。

 6Jは15年10月に宮崎/高雄間で2往復4便の双方向チャーター便を運航。機材はエコノミークラス174席のB737-800型機で、このうち各便約150席を販売したが、搭乗旅客数は合計で約350名にとどまった。しかし16年1月に羽田/ソウル(仁川)間で4往復8便を運航した際には、174席すべてを販売したところ計1352名が搭乗。羽田発・仁川発ともに各便に165人以上が搭乗し、満席の便もあったという。

 高橋氏は、チャーター便の運航には旅行会社の協力が欠かせないことを強調。同社が現在運航しているチャーター便は国内中心だが、引き続き東京や九州、第2拠点と位置づける沖縄、あわせて海外の旅行会社に対して、国際チャーターの利用を呼びかける考えを示した。また、今年度も年内に国際チャーター便を実施する考えを説明し、「今は仕込みをしているところ」と伝えた。

 国際線の定期便の就航については、この日は「日本からB737-800型機で運航可能な東アジアに就航したい」と語るにとどめた。同社企画部長の日下部稔氏によれば、訪日旅行需要の増加を受け、国内線との接続を考えた上で、検討を進めるという。

 6Jは中計において、20年度までにB737-800型機を2機を増やす予定。日下部氏によると1機は18年度中に、もう1機は19年度中に受領する予定で、どちらかの機材については「国際線の就航に向けて、仕様を工夫したい」という。このほか、18年度を目途に国内線を拡充する計画で、高橋氏は機材の増加を受けて3往復6便を増やす考えを明かした。

 6Jは現在、羽田/大分、長崎、熊本、宮崎、鹿児島線と那覇/中部、神戸、宮崎、鹿児島、石垣線の10路線で週68便を運航中で、レジャーや帰省需要が中心。高橋氏は「九州の未就航の空港などへの新規路線に挑戦したいが、できない場合は既存路線を増便する」と語った。ビジネス客の需要も見込める羽田/関空線などについては、「就航したいが非常に込み合っており、実現はなかなか難しい」と話した。