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ウィラー、ベトナムでバス貸出事業開始へ-海外展開強化

  • 2017年6月12日

ジェニックビークル ウィラーは6月12日、新サービス発表会「NEXT WILLER 2017」を開催し、7月18日からベトナムを訪れる日本人旅行者に7人乗りのチャーターバス「ジェニックビークル(仮称)」を運転手付きで貸し出す「チャーターバス事業」を開始することを発表した。海外での2次交通に不便さを感じている旅行者に、自由に移動できる交通手段を提供することがねらいで、車内ではGPSと連動した観光ガイドや、テレビ電話によるコンシュルジュサービスなども提供する。なお、バス名の「ジェニック」はソーシャルメディアへの写真の投稿を主な目的とする旅行が増えていることを意識したもの。

ジェニックビークルの内観  「ジェニックビークル」はウィラーが保有し、運行に限り、同社が提携するベトナムのバス会社のMai Linh社が担う。また、観光ガイドやコンシュルジュなどのサービスは、12日付で業務提携契約を締結した多言語ガイドシステムなどを提供するフュートレックと共同で開発する。

 運行開始地点はホーチミン市内の空港やホテルなどで、車両タイプは「プレミアム」と観光ガイドサービスや大型モニターなども提供する「エグゼクティブ」の2種類を用意。車内には冷蔵庫やUSBポートを備え、WiFiも提供する。料金は時間制で、プレミアムの4時間コースは8800円からで、8時間コースは1万1800円から。エグゼクティブの4時間コースは9800円からで、8時間コースが1万2800円からとした。予約は12日から公式ウェブサイトで受け付けている。

発表会での記念撮影。中央が村瀬氏 発表会で挨拶したウィラー代表取締役の村瀬茂高氏は、同社が今年3月から、グローバル展開などを推進するための「第3期成長戦略」を開始したことを説明。「これまでは主に国内で高速バスや電車などの交通事業を展開してきたが、今後は世界へ展開する」と述べ、特に「ASEAN、ヨーロッパ、米国、東アジアの4市場」に注力する考えを示した。グループの目標として、2020年までに年間売上高500億円をめざすという。

 記者団の取材に応えた村瀬氏は、「ジェニックビークル」については「いずれはASEAN全域に拡げたい」との考えを示し、「現在は2台のみの車両を半年後には10台程度まで増やしたい。1年間ほどお客様の声を聞きながらサービスを改善していく」と語った。

 同社はそのほか、早ければ今秋から、ヨーロッパで乗り合いバス「サイトシーイングバス」の運行を開始する構想を明らかにした。ターゲットは日本人・外国人を問わない方針で、村瀬氏は「まずはフランス・ベルギー・オランダ・ドイツを周遊する1路線から開始し、将来的には10路線にまで拡大する」と説明。詳細について後日発表するという。

 訪日客向けの事業としては、今月8日にKADOKAWAグループの旅行会社であるクールジャパントラベルへの出資に合意したことを説明。資本比率は角川アスキー総合研究所が75%、ウィラーが25%で、今後はKADOKAWAのアニメ作品などを活用した「コンテンツツーリズム」の商品企画をおこなう。今夏からは都内で、アニメ映画「君の名は。」とのコラボレーションによる「カフェバス」を運行する予定。村瀬氏はそのほか、小型バスを利用したシェアライドサービスなどにも意欲を示した。