トップインタビュー:キャセイパシフィック航空日本支社長のクオック氏

「顧客目線」でサービス強化
日本は既存路線に注力

 キャセイパシフィックグループはこのほど、2017年から19年までの新たな経営計画「Time to Win」を発表した。キャセイパシフィック航空(CX)とキャセイドラゴン航空(KA)の2社で、「顧客目線」「卓越したオペレーション」「生産性向上と価値の重視」「高パフォーマンスを追求する社風」の4本柱に基づき、さらなる成長をめざす考え。昨年9月にCXの日本支社長に就任したライオネル・クオック氏に、経営計画の詳細や今後の日本市場での展開について聞いた。


-新しい経営計画について教えてください

ライオネル・クオック氏(以下敬称略) 経営計画の4本柱のうち、もっとも重視しているのは「顧客目線」だ。お客様について学び、そのニーズに敏速に対応していきたいと考えている。例えば機内エンターテイメントプログラムについて、我々はこれまで100以上の映画を提供していることをアピールしていた。しかし、CXを利用したお客様のFacebookへの書き込みを見ると、ビジネスクラスのお客様もエコノミークラスのお客様も、機内で映画「ラ・ラ・ランド」を見たことについて書いていた。

 お客様は映画の数ではなく「ラ・ラ・ランド」を見ることを求めている、ということがわかれば、お客様には「機内で『ラ・ラ・ランド』を鑑賞できます」、とアピールすることができる。こういったことは小さな一例に過ぎないが、現場の社員には身近なところから、自分なりの「顧客目線」を磨いてもらいたいと考えている。

 お客様はFSCとLCCでは、それぞれ異なる体験を求めている。LCCの安い航空券を求める層は一定の割合で存在するが、我々はFSCであり、価格のみを重視する層の取り込みはめざしていない。「顧客目線」でLCCにはない付加価値を提供していきたい。