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星野リゾート、「都市観光ホテル」拡大へ、旭川から開始

  • 2017年4月5日

 星野リゾートは4月4日の記者会見で、取り組みを進めている「都市観光ホテル」の今後の展開について説明した。代表の星野佳路氏は、都市を訪れる観光客をターゲットとする「都市観光ホテル」について、「既存のビジネスホテルなどとは明らかに違う形態とサービスを取り入れたい」と強調するとともに、「星のや」「リゾナーレ」「界」に続く4つ目のブランドとして全国に拡大する考えを示した。すでに今月からは1軒目としてシティホテル「旭川グランドホテル」の運営を開始しており、2022年春には大阪の新今宮駅前に2軒目を開業する。

 同社の調べによれば、日本国内の宿泊施設の利用者の内訳は、ビジネスホテルが41.9%、シティホテルが15.7%、旅館が20.9%、リゾートホテルが14.9%。星野氏は、ビジネスホテルとシティホテルの利用者の半分が観光目的で、全宿泊者の3割を占めることについて述べた上で、「都市観光ホテル」が潜在的な力を秘めていると主張した。また、ビジネスでの利用者は1室を1名で利用することが多い一方で、観光客は1室を数名で利用することから、「ADR(平均客室単価)はビジネス客よりも確実に上がり、収益力が高まる」とメリットを説明した。

旭川グランドホテル  「都市観光ホテル」の設備やサービスの方向性については、1軒目の旭川グランドホテルの運営を通して確立する考え。星野氏は同ホテルの宿泊・宴会・ブライダル・レストランの4事業が、個々に他社と競争している状況について述べた上で「都市にある典型的な課題を持ったホテルだが、課題を解決して事業の見直しができれば他のホテルにも活かせる」と語った。「各事業が補完関係するようにスクラムを組み、事業を編成し直したい」という。

 同ホテルについては今後の方向性を決めるための「コンセプト委員会」を立ち上げ、4事業の現場のスタッフやマネージャーなどとともに意見交換を進めているところ。決定したコンセプトについては、10月の定例プレス発表会で発表する予定だ。