ウェアラブル音声翻訳端末「イリー」発表、まずは法人向け

ログバー吉田氏(右から2番目)とパートナー企業の登壇者 身につけて持ち歩けるウェアラブル端末などの開発に取り組むベンチャー企業のログバーが1月31日、旅行中の音声翻訳に特化したウェアラブル端末「ili(イリー)」の発表会を開催した。

 iliは、同社代表取締役CEOの吉田卓郎氏が自身の経験をもとに開発したもので、インターネットに接続できる環境がなくても利用できること、メインボタン1つでほとんどの操作が可能なこと、旅行に特化することで翻訳精度を向上したこと、独自技術によって翻訳速度を高めたことなどが特徴。まずは17年6月から、観光関係企業・団体に1ヶ月1台あたり3980円でレンタルする法人向けサービス「ili for Guest」を提供する。

 「ili」の名称は、「i」を人に見立て、端末を挟んで人と人がコミュニケーションをとっている様子を表したもの。機能としては、旅行で使うことを前提とし、例えば「高い」という言葉に対して「high」や「tall」ではなく「expensive」と判断するなど細かく調整。商談や医療現場、専門用語はあえて想定しないことで、旅行中の日常会話の精度を高めたという。

 現在の対応言語は日本語と中国と英語で、韓国語、タイ語、スペイン語への対応も予定。すでにイオンモールやハワイのホテル3軒で試験導入が進んでいるといい、ハワイについてはハワイ州観光局(HTJ)も「公認商品」として認定している。

ログバー 今後は、東京メトロが訪日外国人旅行者の接客用に導入を決めているほか、WiFiルーターのレンタルサービスを展開するビジョンが4月から空港でのレンタルを開始。レンタルはアウト/インの双方に対応する。

法人向けサービスでは、翻訳用の辞書に社名などの固有名詞を追加するカスタマイズ機能を提供するほか、使用履歴から頻度の高い単語やフレーズなどを探すことでサービス改善などにも活用できるようにしている。

 なお、消費者向けの販売は年内に開始する予定だ。