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ジェットスターJ、通期で初の黒字達成-中国線就航へ

  • 2016年8月24日

ターナー氏  ジェットスター・ジャパン(GK)が8月24日に発表した2016年6月期(15年7月1日~16年6月30日)の通期業績で、営業利益は13億500万円、経常利益は1億5300万円、当期純利益は6300万円といずれも黒字に転じ、2012年7月の就航以来初めて、通年での黒字化を達成した。予定よりも1年早い達成で、15年6月期は営業損失79億4500万円、経常損失は75億2900万円、当期純損失75億7100万円を計上していた。営業収入は24%増の522億3800万円だった。

 同日に開催した事業説明会の冒頭で挨拶したCEOのジュリー・ターナー氏は、「12年に日本でLCCが運航を開始して以降、地方への送客や新たな旅行需要の開拓など、LCCは日本の航空業界を大きく変化させてきた」と強調。また、今月にはGKの累計搭乗者数が国内LCCでは初めて1500万人を超えたことを説明し「日本の方々に受け入れてもらえたと実感している」と喜びを示した。

 CFO財務本部長の鈴木明典氏によると営業収入の増加要因は、台北とマニラに各3路線を就航したことで、有償旅客数は前年比15%増の521万人だった。有効座席キロ(ASK)は22%増、有償旅客キロ(RPK)は34%増で、平均搭乗率は7ポイント増の83%だった。

 営業利益の増加については、営業収入が増えた一方で燃油費が減少したことや、国際線の就航にあわせて機材の稼働率を向上させたことなどが要因。ターナー氏は「まだ課題はあるが、昨年度で事業の基本的な部分を構築できた」と話し、今年度についても「具体的な数値目標は非公開だが、黒字を継続していく」と意欲を示した。

片岡氏  このほかに説明会では、代表取締役社長の片岡優氏が今後の事業方針を説明し、中国線の開設などによる国際線ネットワークの拡大を強化する考えを示した。事業・戦略本部長の田中正和氏によると、中国線は「今期中には」就航したい考えで、具体的な就航都市については需要の動向や就航先の自治体の協力体制などを踏まえて決定するという。

 機材については今期中に21機目のエアバスA320型機を導入する予定。19年には28機にまで拡大するという。